2019年 全米プロゴルフ選手権

“ドS”のブラックコース 最終18番は短くてもワナがたくさん

2019/05/16 07:03

ベスページ州立公園ブラックコース 18番パー4(411yd)

最終18番は第1打で打ち下ろし、第2打で打ち上げる(Gary Kellner/PGA of America/Getty-Images)

2019年からメジャー第2戦は「全米プロゴルフ選手権」。プロゴルファーだけによる最高峰の戦いが16日(木)に始まります。例年の大会は4つのメジャーの中で最もロースコアが出るイメージがありますが、今年に限ってはそうはいかない予感がします。

ニューヨーク州のロングアイランドにあるベスページ州立公園ブラックコースは初心者・中級者お断り、まさに“ドS”クラスの世界一難しいパブリックコースとして知られています。

左右のショット精度はもちろん、高低差のマネジメントも重要なフィニッシングホール

中でも注目すべきは最終18番。数字だけ見ると411ydと短いパー4ですが、ご覧ください、この歪(いびつ)な形をしたバンカー群…。ティエリアからは14ydの打ち下ろしで、300ydのキャリーで越えることができますが、その奥は両サイドともに深いラフが待ち受けています。

打ち下ろしのショットは滞空時間が長いため、地面に落ちるまで風の影響が大きくなります。そのため、最後までボールから目を離すことができません。やはり安全に行くためには、バンカーの手前までのクラブでフェアウェイに刻む選手が多いのでは、と予想します。

メジャーの最終ホールですから、ボギーを打たないようにするのは容易ではありません。ただし、絶対にバーディが獲れないかというとそうでもないのが、今回のフィニッシングホールの特徴でもあります。選手たちの“欲”をそんな風に誘ってくるのもまた難しいところ。

青印は予想ピンポジション。手前ピンのときは特に注意が必要か

高難度のティショットをクリアした後は、今度は精度の高いセカンドを求められます。グリーンには大きなコブや、いくつもの面があるわけではなく、奥から手前に下る勾配があるだけ。ただし、第2打地点からは約10ydの打ち上げで、距離を合わせるのが本当に大変。手前の花道で急激に上がっているため、少しでも短いショットになると、60yd近く戻ってきてしまう恐れがあるのです。

バーディチャンスもあるけれど、ボギーのリスクも十分。メジャー最終日に逃げる立場、追う立場の心理状況によって、攻め方が変わる模様をお楽しみください!(解説・進藤大典)

2019年 全米プロゴルフ選手権