2019年 BMW選手権

名門メダイナの池越えパー3 ウッズがわざと奥のバンカーに入れた過去も

2019/08/15 14:45

メダイナCC・コースNO.3 17番パー3(193yd)

手前の池が強烈なプレッシャーになる名物パー3。避けては通れない

「BMW選手権」はイリノイ州を中心に、米国中西部の名門クラブを巡るサーキットトーナメント。ことしから1試合減ったプレーオフシリーズの2試合目(全3戦)になりました。舞台はシカゴ・オヘア国際空港にもほど近いメダイナCC。過去に「全米プロ」や「ライダーカップ」なども行われてきた有名コースです。

数ある難ホールのなかでも、17番(パー3)は優勝争いの終盤にドラマを演出する注目ホールです。ティグラウンドからは風の影響を受けやすい打ち下ろしで、グリーン手前がすべて池という難度の高いロケーション。プレーヤーの距離感を大いに狂わせ、長い滞空時間が緊張感をあおります。

大きな池が景観を良くしているが…打ち下ろしのため風の影響も受けやすい

カップは池に近いエリアに切られることが予想されますが、特にグリーン右サイドにピンが設定された場合、より難度が高まります。右サイドは縦幅が極端に狭く、11ydほどしかないエリアなので、そこを狙って落とすとなるとかなりの精度が問われるからです。

逆に左サイドにカップが切られた場合は、フロントエッジが近いこともあり、左からフェードで攻めたくなります。ただし、左奥に設けられたバンカーには要注意。仮にオーバーした場合、池に向かって下る傾斜を考慮したバンカーショットを残すことになり、とてもプレッシャーのかかる一打となり得るからです。

グリーンは奥から手前の池に向かって傾斜が強い。青印は予想ピンプレース

私が谷原秀人選手のバッグを担いだ2006年の「全米プロ」では、タイガー・ウッズがこのホールで印象的なショットを見せました。残り2ホールを残し、2位と5打差以上の大差をつけて単独首位にいたウッズ。彼はこのホールでのティショットをわざとグリーンオーバーさせ、奥のバンカーに入れたのです。

距離感が間違えば手前の池に入り、ダブルボギー以上をたたいてしまうと判断してのティショット。はじめから1オンを諦め、実際には狙い通り2オン2パットとして、同日はじめてのボギーで切り抜けました。それほど安全にいく必要のある難しいショートホールと言えると思います。

17番以外でも数多くの名シーンを生んできたメダイナCC。2012年「ライダーカップ」で、欧州選抜が米国選抜相手に、最終日のシングルス戦で6ポイント差を大逆転した“メダイナの奇跡”を生んだ場所でもあります。また古くは1999年の「全米プロ」で、当時19歳のセルヒオ・ガルシア(スペイン)が16番・右の林から放ったセカンドショットは、木の根元から目をつぶって打ったにもかかわらず、うまくスライスさせてグリーンをとらえた歴史的な一打として、いまなお語り継がれています。(解説・進藤大典)

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