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【WORLD】ウェブ・シンプソンの素顔(4) “WORLD WIDE WEBB”

2011/11/15 13:10

Golf World(2011年11月7日号)texted by Tim Rosaforte

飛躍した2011年シーズン。シンプソンがこれから突き進む道は?

ノースカロライナのローリーで生まれ、キリスト教徒であり大のゴルフ愛好者だった両親に育てられたシンプソンは、スコット・ホークと同じ高校に進学し、熱心な聖書教育を受けて育った。父親譲りのプレッピースタイルを今も継承し、常に女性に優しくすることを叩き込まれてきたという。「父が常に母を優先している姿を見て育ってきた。だから常々、母親には敬意を表するような子供だった」。

大学1年の時、チームメートだったバック・ウィアンは、当時からシンプソンは不思議な魅力を持つジェントルマンで、周囲の人間から一目置かれる存在だったという。「男性なら雇用する対象、女性なら自分の娘の結婚相手にする対象として見られていましたね」とウィアンは当時を振り返る。

そんなシンプソンだったが、父親のサムは、そのパーティの席で未来の伴侶となるダウドに出会い、一目で惚れ込み、100ドルで息子とデートしてくれるよう依頼。ダウドは、「貴方のようなステキな男性となら無料でデートします」と返答し、シンプソンとダウドは出会うことになる。父親が唯一知っていたことは、この1年前にダウドの親友と息子がローリーで一緒にラウンドし、その友人がダウドに「貴方の未来の旦那様と会ったわ。来年ウェイクに進学すると言っていたわよ」と伝えていたことだった。

程無くして2人は出会い、恋愛関係に発展。しかし、付き合っていた当時、お互いのことにばかり気を取られ、神に祈りを捧げる十分な時間が取れなかったことが原因(ダウドも宗教団体に関連する団体で働いていた)で、およそ1年に渡り連絡を取り合わない時期があったという。信仰心の強い2人らしいエピソードだが、ダウドの友人からは「全くもって馬鹿げている。人生で最高の瞬間を自分から逃しているのよ」と叱責もされた。それから1年後の2008年、クリスマスイブにシンプソンがダウドをデートに誘い、2人は再び関係を持ち始めた。

「私は彼と一緒に生活し、妻になりました。でも、夫は完璧な人間ではありません。ただ、それでもウェブと離れるのは辛いことでした。それに、彼という人間がファンに与える希望、それだけのカリスマ性を見過ごすことも出来ませんでした。そうした能力は、間違いなく神様から頂いたギフトですもの」。シンプソンも神の導きでダウドと出会ったとメディアの前で公言し、宗教に関心の無いファンから批判を受けたこともある。あまりにも酷い中傷があったことでツイッターの使用を止めたほどだ。

しかし、勝利後には空を指差すアクションを見せ、タイトリストの帽子の裏地にはテトスへの手紙第3章3-7を縫いつけ、そしてグリーンサイドで感謝を表すことこそ、ウェブ・シンプソンという人物を物語っている。「何故、神様が現れるかって?」、「きっと俺の為に来てくれているんじゃないかな」。

そんなシンプソンに今シーズンのハイライトを聞いてみると、ウィンダム選手権の優勝でもプレーオフを制して優勝したドイツ銀行選手権の優勝でも、獲得賞金635万ドルでも、初のプレジデンツカップ出場でもなかった。

「今年最大の出来事は、息子が生まれたこと。ゴルフ以外の人生は最高のことばかり起こっている。結婚して1年が経って、2月には子供が生まれた。妻と子育てをする生活をエンジョイ出来ている。ゴルフ以外は、これ以上望むことは無いね」。

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