ビザトラブルで1人欠場のフィリピンがついに最下位を脱出
◇2017 トヨタジュニアゴルフワールドカップ Supported by JAL 3日目◇中京ゴルフ倶楽部石野コース(愛知県豊田市)◇男子6843ヤード(パー71)、女子6130ヤード(パー72)
3人がプレーし上位2人のスコアを採用する女子団体戦。9チームが参加しているが、フィリピンチームだけ2人で戦っている。ビザトラブルで1人が来日できなかったためだ。
急きょ2人で戦うことになった大会で、初日は動揺しプレッシャーが大きくなった。成績はサマンサ・マリー・ブルース「81」、ロレンツ・カイラ「82」と大乱調。チームスコア19オーバーは一つ上の順位とも12打差でダントツの最下位だった。
ラウンド終了後に2人で顔を合わせ、「悩んでも仕方がない。自分のプレーに集中しよう」と気持ちを切り替えた。翌日はサマンサ「73」、ロレンツ「75」と復調。気持ちが楽になった3日目は2人とも「74」で回り、ついに最下位を脱出した。
サマンサは「初日はパットが不調で、トリプルボギーとダブルボギーが連続するトラブルもあった。でもそれは『本来の私ではない』、残りのラウンドで必ず挽回しようと思ってプレーした」。ロレンツも「せっかく日本でプレーしているんだからって考えたら、楽しまないとダメだと思った。明日こそアンダーパーで回りたい」と前を見る。
2人とも初来日。ベントグリーンのコンディションの良さや母国よりは湿気の少ない気候に「プレーしやすい環境」と口を揃える。他国の代表選手と友達もでき、ラウンド中や移動中のバスで、ゴルフからプライベートまでいろんな話をしたという。
プロになるのも夢のひとつだが、数学好きなサマンサは「エンジニアにも興味がある」。アメリカの大学に進学し“全米”が付く大会に出場するのが中期的な目標。その上で自分の進む道を見極めたいと考えている。
一方のロレンツはフィギアスケートからゴルフに転身した異色の経歴の持ち主。「暑いゴルフ場にいると、たまに氷の上に行きたくなる」とスケートは今も趣味で続けている。当面の目標はアメリカの大学から誘いがくるような成績を残すこと。プロなって日本ツアーでプレーすることも頭の片隅にあるという。