スコットが再び長尺に アンカリング規制対策は小さめヘッド
アダム・スコット(オーストラリア)はいま、パター選びに苦労を重ねている。かつて長尺パターを使用して2013年に「マスターズ」を制覇。16年にアンカリング禁止のルールが施行された後は、主に通常の長さのパターを握っていたが、今年5月「ウェルズファーゴ選手権」からは再び長尺を握っている。
スコットは16年の春先に「ザ・ホンダクラシック」、「WGCキャデラック選手権」で連勝し世界ランキング1位にも上り詰めた。当時は通常のパターで上昇気流に乗ったものの、昨季(2016-17年シーズン)はゼロ勝。「昨年11月にロングパターに戻したんだけど、その後にまた短いパターに戻した。でも調子が日替わりで安定しない。抜本的に何かを変えないといけないと考えて、またロングパターに戻すことにしたんだ」という今日この頃だ。
スコットはマスターズの優勝時にスコッティキャメロンのフューチュラX パターのヘッドを使用。ネオマレットタイプでも大型の部類に入る。ただし、現在の相棒はスコッティキャメロン スタジオ・セレクト・パター コンビSのセンターシャフトモデル。フューチュラXよりも“小さめ”を選んだことがポイントだという。
「アンカリングが認められていた時は、大きくて重いヘッドでも安定したストロークができた。でもルールが変わって、手元を体から離さなければならなくなると、少し軽いヘッドの方がコントロールしやすいことを発見したんだ」と、長尺に最初に挑戦した2010年の終盤に使っていたものを引っ張り出してきた。
いつも穏やかなスコットだが、このアンカリング規制のルールには今も「不公平に感じる」と厳しい目を向けている。「アンカリングのルールは、選手にとってパターを物理的に変更するだけではなく、思考を変えなければいけない。だから大変なんだ」。
前週の「ザ・プレーヤーズ選手権」では中尺パターの使い手であるウェブ・シンプソンが苦労を重ねて復活優勝。ルールに抵触しない独自の握り方で好プレーを繰り広げた同選手を、スコットは大いにたたえながら「あんまり入りすぎないほうがいいな。彼ら(規則を決めるR&A、USGA)はそれすらも禁止するんだろうから」と皮肉たっぷりにコメントした。