2014年 アーノルド・パーマーインビテーショナル

同じヘッドが2つ 石川遼のFWセッティング

2014/03/19 09:14
全く同じヘッドが2つ。左が4番、右が5番。「5番はずっと使ってきたから、ソールに傷がいっぱい」と石川

石川遼のキャディバッグには「プエルトリコオープン」からドライバーの他に2本のウッドが入っている。モデルはいずれも昨年から愛用してきたキャロウェイ「X HOT PROフェアウェイウッド」。しかしヘッドカバーを外して見ると、これが全く同じようなのだ。

ロフト表示はいずれも17度だが、両方とも16度に立ててある。シャフトの種類は全く同じグラファイトデザインの「ツアーAD GT8(フレックスTX)」。では違いは?というとわずかなシャフトの“長さ”にある。「僕は4番ウッドと5番ウッドって呼んでいる」と石川。42.25インチが4番、42インチが5番になっている。

想定する飛距離は4番が約270ヤード、5番では255ヤード前後。0.25インチ、わずか6.35ミリの違いだが、これで15ヤードの差を生んでいる。

石川はここ1年、まずこの5番ウッドをこよなく愛用してきた。3番ウッドもドライバーの次の飛距離を持つクラブとして使用していた時期があったが「スプーンがどうも飛び過ぎていた。ティショットで、ドライバーとスプーンとの差が5~10ヤードくらいしか変わらなくなってしまって。グリーンを狙えるスピンのかかるクラブが欲しかった」。そんな悩みと「ずっと使ってきた5番ウッドの長さが好きで、どうにかこれに近い感じのものが欲しい」という要望が合致。キャロウェイのスタッフとの試行錯誤を経て、このアイデアを込めた4番を新しく入れた。

「同じロフトが2つって、なかなか無いセッティングだと思う」と石川。シャフトの長さは、ツアープロがその違いを逆に利用してしまうほど、ゴルファーにとって重要なものといえる。

ちなみに観戦する際に、石川がどちらを使っているのか見分ける方法が1つある。4番はキャロウェイのヘッドカバーをかぶっているが、5番は黄色いぬいぐるみが、どんなにピンチの場面でも呑気に笑っている。石川の地元、埼玉県松伏町の“ゆるキャラ”マップー(ゆるキャラグランプリ2013、ご当地部門で全国822位)がそれ。キャディのサイモンの動きにも注目すると、いいみたい。

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