ついに未完の大器・額賀辰徳まで…ゼクシオ9ドライバーで飛躍
数多くいる契約プロの中でも、彼がスイッチしたのは意外だったらしい。ダンロップスポーツがこの秋にリリースした「ゼクシオ9」。名作シリーズは代を重ねるごとに、対象の幅が一般アマチュアからツアープロの間にもひろがっている。9月には松山英樹も米国でテスト。そして今週の「ダンロップフェニックストーナメント」では、日本人屈指の飛距離を持つ額賀辰徳が、このニューギアを駆使しながら上位争いを演じている。
額賀がゼクシオ ナイン ドライバーを使用したのは10月「HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF」から。これまでも同シリーズの新作はテストしてきたが、「一発打って『ダメ』ということが多かった。もう(スピンで)吹け上がっちゃって…」とパワーヒッターらしい反応が続いていた。
ところが今作は試打して一発OK。最初のうちは「すごくクラブが短く感じてしまった」と大型ヘッドへの見た目の違和感があったが、それも払拭されてきたところで、ホスト大会での結果にもつながっている。「見ての通り、ボールはフェアウェイにあるし、飛ぶ。言うことないですよ」。ちなみにスペックはロフト角8.5度、シャフトは三菱レイヨン KUROKAGE XT(重さ80g、硬さTX、長さ44.5インチ、バランスD4)を挿している。
魅力を感じているのは飛距離やミスヒット時の寛容性だけではない。「コントロール性が良い。例えば少しスライス目に打つことができたり。大きなヘッドって、そういうことができない感じがあるでしょう。でもこれはオートマチックなんだけど、イメージした、狙ったボールが出る」。フェニックスカントリークラブのように、多彩なホールが待つ林間コースは、持ち合わせた操作性も十分に発揮できる舞台だ。
普段から親交が深く、練習ラウンドを一緒にする機会の多い宮里優作は、額賀について「米ツアーであっても彼の飛距離はたぶんトップクラス。だいたい30ydくらい置いていかれる。10ydくらいの差だったら、僕が勝ったようなもの(笑)」という。「あれだけポテンシャルがある選手は日本にそういない。育ってほしいと思う」。未完の大器にゼクシオ9。まさに、鬼に金棒となるだろうか。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)