「いま僕はココにいます」Vol.10 三重編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・23歳。2012年のプロデビューから5年間で巡った国の数は20以上。活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。世界を旅することこそが、幼い頃からの夢だった。傍らにはキャディバッグと小さなスーツケース。ゴルフで旅する渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、三重県にいます。
いよいよ日本国内での試合が始まります。「東建ホームメイトカップ」は、故郷である三重県・四日市市のお隣、桑名市で13日(木)から行われます。実は僕は2013年から四日市市の観光大使を務めており、開幕前には市庁を表敬訪問してきました。2ショットは、ゆるキャラの「こにゅうどうくん」と…。ぜひ覚えてください!
ベトナムのハノイからタイ・バンコク、マレーシア・クアラルンプールを経由して日本に帰ってきたのは2週間前。実はバンコクで乗り継ぎをした際、深夜に到着し、早朝出発だったため空港で夜を明かしました。あてにしていたラウンジ内のベッドで、ぐっすり眠りについていた深夜、係の方に急に起こされてビックリ。深夜は営業していないとのことで、空港内の椅子でリュックを枕にして寝ることに…。いったい何のためのベッドなんだ…と思いつつ、貴重な“初体験”になりました。
さて、帰国して三重に向かう前には福井県に行ってきました。僕の第二の故郷ともいえる場所です。中学卒業後の進路を決める際、一番熱心誘ってくださったのが福井工大付属福井高校で。当時の仲間たちと楽しい時間を過ごすことができました。
ナショナルチームにも所属していた在学中は、雪で練習が思うようにできない冬の間は、米フロリダで自主トレをすることを許していただきました。今田竜二さんとの縁もそこでできたもの。3年生の時には、高校の試合や国体の出場選手には選ばれませんでした。仲間と団体戦に出場したい思いはありましたが、ゴルフ部の金井兼監督(※同校の母体である学校法人金井学園の理事長)をはじめとしたチームは、当時受験中だった日本ツアーの予選会に集中できるよう、僕をあえて選ばなかったんです。
スポーツ特待生として入学した僕たちのような生徒は、在学中、多くのケースでその学校を“有名にする”ことを求められますが、将来のことを本当に真剣に考えていただいたからこそ、プロゴルファーとしての今の自分があると思っています。
高校を卒業してから初めて出場したツアー大会から、もう5年。今年も2つの故郷に感謝して頑張ります。
<今週のランチ>
高校時代の福井の味です。福井市内にあるヨーロッパ軒のソースカツ丼は、ごはんの上にキャベツがなく、とてもシンプル。秘伝のタレが決め手です。高校生の時はお金もなくて、なかなか行けませんでしたが、いまも大好きな味。カツ丼セットは1080円です。