「いま僕はココにいます」Vol.100 南アフリカ編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・27歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、9年間のプロ生活で巡った国の数は実に40に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いまぼくはヨハネスブルグにいます。
今週は2週ぶりの試合です。南アフリカでの「ヨハネスブルグオープン」。新型コロナウイルスの影響を受けたシーズンが再開してから初めてアフリカに来ました。感染対策は欧州と特別変わったところはなさそう…。お店に入るときの検温、マスク着用なんかも同じ。ただ、外出している人の数は前とそれほど変わらないような気もします。
2週前の「アフロディーテ ヒルズ キプロスシュートアウト」は2位で、初優勝に1打届きませんでした。悔しくてたまりませんが、出場して本当に良かったと思います。
最終日に進出した選手(19人)がゼロからスタートする新方式も、全員が最終日最終組のような気持ちで、やってみれば面白かった。当初は新しいチャレンジに腰が引けていたところを「エンジョイ!」と、背中を押してくれたキャディのジャネットさん(ジーブ・ミルカ・シンの元キャディ)に感謝です。
さて、前週のオフはどこで過ごそうか…と迷った挙句、ヨハネスブルグにしました。シーズンの最後、中東・ドバイでの試合を見据えて日本に一時帰国するチャンスでもありましたが、こちらでの生活もほとんど不便は感じません。ホテル近くのモールには、とてもおいしい和食レストランが。以前、スポンサーの三菱商事の駐在員の方に連れてきていただいたスポットが本当に役立っています。
ヨハネスブルグの「Japa Express Sushi Bar」は日本人のシェフがいる本格的な寿司・和食のお店。メニューが豊富でサンマの塩焼きや、豚キムチ炒めまで…。納豆に生卵の黄身、マグロやサーモンが乗った「スタミナ納豆」は毎日食べています。
オフのあいだはゴルフをしませんでしたが、こちらで「マスターズ」をテレビ観戦しました。欧州、アフリカではことし、ちょうど夕食から夜にかけて放送され、優勝シーンも寝る前に観ることができました。
逆転を狙ったイム・ソンジェ選手(韓国)とは日本ツアー時代で顔なじみになり、アブラム・アンセル選手(メキシコ)とは「全英オープン」で一緒に回ったこともあったので応援していました。当時、アンセル選手と飛距離がさほど変わらなかった記憶から、自分がもしも出ていたら、パー4の2打目でフェアウェイウッドを持ったり…というゴルフも想像しながら。いつか彼らとも世界のどこかで再会したいと思います。