佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第五十一回】
■ 「ドイツバンク選手権」変則日程での開催
9月3日の月曜日がレイバーデイ・ホリデイのために大会は金曜日から月曜日に開催される。金曜始まり月曜終わりで日程が組まれたPGAツアーの試合はこの大会が初めて。LPGAではかつて「レイルチャリティゴルフクラシック」が月曜終わりで開催された例がある。
■ 佐渡さんの印象深い開催は?
「ドイツバンク選手権」はかつてタイガー・ウッズがホストを務めていた大会だ。プレーオフシリーズ第2戦になると、選手たちは早くトップ30を決めたいと、目の色を変えて上位進出を狙う。第2戦では100名の選手が70名に絞られ、71位以下の選手たちは初戦同様、一発逆転を狙って挑んでくる。2戦目を終えて、トップ20に入ってしまえば最終戦までの出場が確約される。そこを確定させれば気持ちも楽に臨めるので、上位選手も必死で挑んでくるのである。
2007年、フィル・ミケルソンがタイガー・ウッズとの一騎打ちで優勝を飾った年は、実に面白い試合だった。「僕(ミケルソン)よりあとから(タイガーが)現れて、メジャーを次々と制覇し、その時から僕の目標はタイガーを倒すことだった。これまで何度も挑んできたが、やっと勝てた」と、優勝インタビューでミケルソンが応えていたのを、いまでも印象深く焼き付いている。当時は賞金ランクも1位、2位を争う2人だったこともあり見ごたえのある試合だった。
■ 成功してイーグル、失敗してボギー以上の18番
見どころあるホールと言えば18番。2オンが可能なパー5で、グリーン手前のところが崖状のハザードになっていることから、成功してイーグル、失敗してボギー以上という勝負の賭けどころだ。昨年はチェズ・リービーが単独首位で最終18番ホールを迎えた。1打ビハインドで先にホールアウトしていたウェブ・シンプソンは、プレーオフに備えて待機していた。しかしリービーがこのホールをボギーとし、勝負はプレーオフへと持ち越されることとなったが、シンプソンにバーディを先行されて優勝を逃す結果に。シンプソンは「まさか自分が勝てるとは思わなかった」と、この展開に驚きを隠せない勝利となった。このように18番は勝負の明暗を分けるような出来事が起こりうるので、最後まで目が離せないホールである。