2012年 ザ・メモリアルトーナメント

佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第三十九回】

2012/05/30 10:00
昨年の大会では、優勝したS.ストリッカーに祝福の言葉をかけようと18番グリーンで出迎えたJ.ニクラス(Scott Halleran/Getty Images)

■ 「ザ・メモリアルトーナメント」

1976年の初開催以来、今年で37回目を迎える。ニクラスが第5のメジャーを作ろうと開催し、例年ゴルフ界のレジェンドを讃えて戦うのが大会コンセプトとなっている。 過去の主な優勝者にはジャック・ニクラス(77、84年)、トム・ワトソン(79、96年)、レイモンド・フロイド(82年)、ヘイル・アーウィン(85年)、カーティス・ストレンジ(88年)、グレッグ・ノーマン(90、95年)、ポール・エージンガー(93年)らの名前が挙がる。また、タイガー・ウッズが99年から3連覇を達成している大会でもある。

■ ニクラスの大会への思い入れ

この大会はニクラスが作った大会であるが、彼のようなアメリカのレジェンドが作った試合は5試合存在する。バイロン・ネルソンの「バイロンネルソン選手権」、ベン・ホーガンコロニアル(「クラウンプラザインビテーショナル」)、ボビー・ジョーンズの「マスターズ」、アーノルド・パーマーの「アーノルド・パーマーインビテーショナル」、そしてニクラスの「ザ・メモリアルトーナメント」だ。

ニクラスは、自分の憧れがボビー・ジョーンズだったこともあり、以前からトーナメントを開催したいという強い想いがあった。ジョーンズがそうしたように、自分も何かできないか、大会を作れないかと、彼が36歳の時にこの大会をスタートさせている。今大会が行われるミュアフィールドビレッジGCがあるコロンバスは、ニクラスの生まれ故郷でもる。コースはオーガスタのように美しく、クリークの水は底が見えるほど透き通っている。大会のイメージカラーはグリーン(サンドイッチを梱包した包み、コースロープに至るまで緑色)で、これはすべてマスターズに匹敵するような大会にしたいというニクラス強い気持ちの表れでもある。コース内にはニクラスの邸宅があり、大会期間中、またはバケーションをそこで過ごすことも度々。滞在中は練習をしたり、プレーをしたり、コースを散歩したりしながら過ごすこともあるようだ。コースはまさにニクラスが手塩にかけた仕上がりで美しく整備され、ティグラウンドでもパットの練習ができるくらい、キレイに刈り込まれている。ニクラスとともにコース設計を手掛けたのはデズモンド・ミュアヘッド(1923-2002)という設計家で、彼はとても愛嬌があり、洒落のきいたデザインで有名な設計家であった。ここミュアフィールドビレッジGCも彼のセンスが存分に活かされたコースであり、戦略性だけではない、深みのある美しさが特徴のコースだ。決して歴史が長い大会でも、昔に作られたゴルフ場でもないのに、それはまるでこの世が誕生した時から存在していたかのように、自然とそこにあると感じさせるのはまさに設計家の技量である。さらにそこに帝王と言われたニクラスの戦略性が加わり、チャンピオンの中のチャンピオンを決める大会に相応しいコースであるといっても過言ではない。

2012年 ザ・メモリアルトーナメント