2011年 ジャスティン・ティンバーレイク・シュライナーズホスピタル for チルドレン

佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第十四回】

2011/09/27 18:47

ザ・プレジデンツカップとワールドカップの違いは何ですか?

2011年の「ワールドカップ」日本代表として出場する池田勇太、平塚哲二

この二つの大会は、格が違いますね。ザ・プレジデンツカップというのは、参加しただけでWGCブリヂストンインビテーショナルの出場権が得られたり、ほんの数年前までは、1年間のPGAツアーシード権まで得られる大会でした。

ワールドカップは、本来ならば各国のベストプレーヤーが出場しなければならないものですが、それぞれの選手のスケジュールもあります。日本ツアーではビッグタイトルのかかる大会と同週開催のため、賞金王争いにも大きく影響してくることから、スケジュールの合う選手が代表に選ばれることが多いのが現状です。開催時期によるところのワールドカップの宿命みたいなものですかね。以前はとても大きな大会でしたが、現在ではバリューが下がってきているのではないでしょうか。一方、アメリカではシーズンは終了していますが、開催地が中国ということもあり、その直前に開催される世界選手権シリーズのWGC HSBCチャンピオンズと合わせて出場できるように、うまく調整したりしても、なかなか厳しいのが現状ですね。

ワールドカップもかつては世界選手権のひとつでした。その頃は日本にもタイガー・ウッズデビッド・デュバルが来日するなど、盛り上がりを見せていました。世界選手権だったからこそ、あれだけの豪華メンバーが集まれたと言っても過言ではないでしょう。しかし数年前から世界選手権の枠から外れてしまったことで、選手も集まりにくくなってしまいました。

石川遼(右)はグレッグ・ノーマン(左)のお墨付き?※写真は2009年「ザ・プレジデンツカップ」

世界選手権の最初のコンセプトは、“世界にゴルフを広げよう”ということと、“Best of the best”。要するに世界のトップが集まったら、どれだけすごい試合になるのだろう、というところからできてきた大会なんですよ。しかし近年、世界選手権でありながらも、“Best of the best”ではなくなってしまった理由の中には、スケジュールの問題や、賞金ランキング対象外で、シード権とは無関係であることから、徐々に選手たちが重要視しなくなってしまったんですね。それで現在に至っているという状況です。

ザ・プレジデンツカップっていうのは、ポイントの上位とキャプテン推薦の2人なので、まさにトップとトップがぶつかり合う大会なんです。そうなって初めて試合というのは楽しくなりますし、まして出場することで、世界選手権の出場権を得られたりすれば魅力的ですよね。ポイントによる上位10人の枠に入らなくても、キャプテン推薦が2枠あります。前回、石川遼くんはこのキャプテン推薦で出場した訳ですが、あれが彼の世界への第一歩で、彼にとってとても大きな意味のある出場でしたね。世界のトップ選手たちとチームメイトとして戦い、憧れのタイガー・ウッズとも対戦でき、友達も増え、そういったものはとても力になると思います。キャプテンであるグレッグ・ノーマンからのお墨付きをもらったということも大きいでしょう。躍進の第一歩とも言えるでしょうね。

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