2011年 ウィンダム選手権

佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第九回】

2011/08/17 09:57

PGAツアーの選手が、日本ツアーに参戦したら、すぐ優勝できますか?

PGAツアーの選手が日本でパッとプレーして、すぐ勝てるかと言ったらそうではないと思います。日本の選手も力を持っていますし、その週に強い選手もいますから。やはりアウェーの選手は条件的に厳しいんですよね。時差ボケもあるだろうし、日本とアメリカ・東海岸などでは13時間の時差があります。それに、食事も違うし、空気も違う。万全な体制で試合に臨めるというのはほとんどないと思われますから、そう簡単に勝てるとは思いませんが、可能性がないとは言い切れません。

もし今田竜二選手が日本ツアーに参戦したら、賞金王レベルの活躍は見られると思いますか?

ツアー2勝目に大きな期待がかかる今田竜二※写真は「HP バイロンネルソン選手権」最終日(Darren Carroll/Getty Images)

可能性はあります。今田選手はとても力を持っている選手です。しかし彼自身最近、ここぞというところで弱い部分があって、そういうところを克服すればもっと強い選手になれると思っています。これは日本の試合だけではなく、アメリカの試合でも同じことが言えます。今年5月の「HP バイロンネルソン選手権」では、途中までトップに立ち、最後の2ホールをパーで凌(しの)げば優勝できたんですよ。しかし、17番、18番でボギーをたたき3位タイと優勝を逃す結果になってしまいました。いわゆるクラッチシチュエーションに弱いところがあるんです。そこを改善すれば優勝できるでしょうね。

これまでも今田選手は、優勝に届きそうで届かないことがありましたが、ゴルフは最後のひと押しが難しい。以前にもお話しましたが、ゴルフは1ストロークのゲームでもありますし、インチのゲームとも言われています。1インチ、たったの約2.54cm。その2.54cmでも、入るか入らないかでは大きな違いがあります。この1インチが勝つか負けるかを決める差だと思うんですよね。この差を埋めるものは技術です。もちろんパッティングの9割はメンタル面が大きく影響すると言われていますが、いかなる場面においても強い精神力というのは、技術の一つとも言えますからね。そういうシチュエーションで自分のプレーがしっかりできれば、日本の賞金王だけでなく、アメリカでの2勝目もそう遠くはないと思いますよ。

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