2021年 全英オープン

ジョーダン・スピースは「全英」前にアイアンを変えていた

2021/07/20 18:45
全英前にアイアンを変更していたスピース(Oisin Keniry/Getty Images)

いかなる海外遠征においても、荷造りは重要な位置を占める。ジョーダン・スピースはイングランド南東部の海岸での滞在へ向け、新しいアイアンセットを荷物にまとめていた。

2019年の「全英オープン」以降、初代のタイトリストT100アイアンを実戦で使用し続けてきたスピースは、ロイヤルセントジョージズでまだ発売されていない第2世代のT100アイアンを使用。新しいT100の4番から9番アイアンで、2度目のクラレットジャグ獲得を目指した。シャフトは引き続き、第1世代のT100アイアンで使用していたトゥルーテンパー プロジェクトX6.5だった。

ロイヤルポートラッシュで開催された2019年「全英オープン」時と同様、大会前の数週間をダラスの自宅で新しいアイアンをテストしながら過ごし、実戦投入へ向けて微調整を重ねた。

このプロセスを通じ、タイトリストの選手プロモーション部長であるJ.J.バンウェゼンベックがメールと電話でスピースを支援した。

「ダラスでジョーダンに初めて新しいT100をお披露目したとき、彼はすぐさま、見た目と打感、ターフの抜け具合、そして弾道の一貫性についてコメントしてくれました」とバンウェゼンベック。「前週すべての番手の調整を行っていた彼と話したとき、ボール初速がとてつもなく一貫しており、見た目的にもかなり満足していると言っていました」

初めて新しいT100アイアンを見たときのことについて、スピース本人は「最初に気付いたのは、その見た目で、特にアイアンの後ろ側だったね。色味がかなりマットになっていて、後ろ側がかなり綺麗になっていたんだ。とにかくかなりシンプルだね。ほとんどブレードアイアンの様な見た目で、それにキャビティバックの寛容性が備わっているんだ」と話したという。

「正直、これ以外のアイアンでプレーする意味が分からないほどだよ。僕は冗談で、“自分はブレードアイアンでプレーするほど上手くない”って言っているのだけど、現実的に、僕らはより賢い選択をしているのだと思う。“あ、これだと、ブレードと同じ様なショットが毎回打てるぞ”みたいな感じでね。それでいて、ミスヒットの確率は低くなるんだ。僕らは1ラウンドで何度かミスヒットをするし、重要なラウンドでもミスヒットをするから、他の選手が寄せワンのパーを強いられるようなホールで、バンカーをキャリーで越えてバーディを決められるというのは、トーナメントでは大きな違いになるよね」とも。

タイトリストは先月の「トラベラーズ選手権」から、新しいT100とT200アイアンのツアーシーディング(選手たちへの提供)を開始したが、スピースは5月中旬に開催された「AT&Tバイロンネルソン」の週に、タイトリストの写真撮影ですでにこのT100を手に握っていた。

T100アイアンに加え、スピースはT200(T100よりさらに高い寛容性が備わったモデル)のロングアイアンも試打していると伝えられている。より具体的には、T200の2番アイアン(グラファイトデザイン ツアーAD D1 105Xシャフト)と3番アイアン(トゥルーテンパー プロジェクトX 6.5シャフト)の追加導入を考えている。

(協力/GolfWRX、PGATOUR.COM)

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