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人種の壁を打ち破ったシフォード氏に大統領自由勲章

2014/11/12 12:13

By Helen Ross, PGATOUR.COM

大統領自由勲章が決まったチャーリー・シフォード氏(左)。2009年、世界ゴルフ殿堂入りのセレモニーでアーノルド・パーマーと(Marc Serota/Getty Images for the World Golf Hall of Fame)

ゴルフ界の人種の壁を打ち破ったチャーリー・シフォード氏が、11月24日に大統領自由勲章を受ける19人の1人に選ばれた。

バラク・オバマ大統領は10日、92歳のシフォード氏の受章を発表した。大統領自由勲章は、文民に贈られる最高位の勲章として知られている。

現役時代には身の危険を感じ、人種差別に苦しみながらも大好きなゴルフをプレーしたシフォード氏は、PGAツアーで2勝、チャンピオンズツアーで同じく2勝を挙げた。2004年には、黒人選手として史上初めて世界ゴルフ殿堂入りも果たし、06年にはセント・アンドルーズ大から名誉法学博士号も贈られた。

PGAツアーコミッショナーのティム・フィンチェムは「チャーリー・シフォード博士は、この名誉ある特別な勲章を受けるのに最も適した人物だ。博士は偉大な尊厳と勇気、強い精神を持って大変な苦労をしたパイオニアの1人で、異なる人種の選手に大きな希望を与えた。われわれの競技を、より良いものにしてくれた博士には感謝の念を抱いている。彼はあらゆる意味で真のチャンピオンだ」と述べた。

ゴルフ界を代表する団体、人種問題に特化した団体、政府の官僚、そしてスポーツ界のレジェンドたちがシフォード氏の受章を後押しした。PGAツアー、全米ゴルフ協会(USGA)、世界ゴルフ財団のほか、64人の国会議員、タイガー・ウッズ、元NBA選手のアロンゾ・モーニングとビル・ラッセル、元NFL選手のジム・ブラウンといった著名アスリートらだ。

シフォード氏とともに大統領自由勲章を受けるのは、NBCニュース司会者のトム・ブロコウ、女優のメリル・ストリープ、マルロ・トーマス、歌手のスティービー・ワンダー、活動家のエセル・ケネディらだ。過去にはアーノルド・パーマージャック・ニクラスも受章している。

ノースカロライナ州のシャーロットで生まれたシフォード氏は、キャディとしての経験からゴルフを学び、13歳の頃にはイーブンパーの腕前に成長。それから4年後にプロに転向し、アフリカ系アメリカ人で構成されたユナイテッド・ゴルフ・アソシエーション・ツアーで2勝を挙げ、黒人選手のナショナルオープンで5連勝を達成した。

しかし、シフォード氏の目標は、1946年にメジャーリーグ史上初の黒人選手となったジャッキー・ロビンソンのように、ゴルフ界に風穴を開けることだった。39歳となった1960年にツアー出場資格を獲得。その1年後、PGAツアーは出場資格獲得の条件となっていた“白人のみ”という条項を撤廃した。

シフォード氏(右)の受章にウッズは「あなたの献身があったから、僕は今日ゴルフができる」とツイートした。撮影は2009年(by Stuart Franklin/Getty Images)

シフォード氏は1967年の「グレーターハーフォードオープン」で初優勝を遂げ、69年には「ロサンゼルスオープン(現在はノーザントラストオープン)」で優勝。同大会では、現在もシフォード氏の名前を冠した特別招待枠が設けられている。シフォード氏は75年の「全米プロシニアゴルフ選手権」、80年のチャンピオンズツアー「サントリークラシック」でも優勝した。

タイガー・ウッズは受章の報に接し「あなたこそまさに僕のおじいちゃんだ。あなたの犠牲的な献身があったから、僕は今日ゴルフをプレーできる。本当におめでとう、チャーリー」とツイートしている。

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