2014年 WGC HSBCチャンピオンズ

的当て練習の様相?今季トータルドライビング首位の松山に注目

2014/11/04 10:57

By Rob Bolton, PGATOUR.COM

本人は首をひねるが松山英樹のスタッツはPGAツアーの注目を集める ※CIMBクラシック2日目に撮影

中国・上海のシェシャンインターナショナルGCでの「WGC HSBCチャンピオンズ」。PGAツアーの公式イベントとして初めて行なわれた昨年大会は、78人の出場者のレベルにマッチしているとは言い難いものだった。実際のところ、覇者ダスティン・ジョンソンが出した通算24アンダー、「264」というスコアは大会記録になった。2005年後半より欧州ツアー日程に定着した本大会は、2009年からはWGC(世界ゴルフ選手権)にも組み込まれた。大会がシェシャンインターナショナルGC以外で開催されたのは2012年のみ。この時は同じく中国広東省・東莞(ドングァン)市のミッションヒルズが会場となった。

昨年の平均スコア「70.890」は、PGAツアー単独開催のデータに当てはめると、パー72のコースの中ではシーズン2番目に低い大会だった。同大会でのパーオン率は1ラウンドあたり平均12.5。パー4ホールの平均スコアは「3.97」で、全コースの中で易しいものとしては4位タイだった。ツアーを離脱中で、今大会には出場しないD.ジョンソンは、パーオン率と平均パット数の両方で1位だった。彼はパー3とパー4の平均スコアでもトップに並んでいた。

シェシャンインターナショナルGCの全長はおよそ7,261ヤード。パー4の13番ホールは昨年以降26ヤード延長し、パー5の14番は31ヤード短縮された。グリーンに関してはスティンプメーター「11.5」なので、一番の障害は風と乾燥した気候になるだろう。最近降った雨で芝生が柔らかくなり、今週末はさらに降雨が予想されている。とはいえ、曇り空で空気は比較的涼しく(気温は華氏60度台半ば~後半、摂氏18~21度)、試合は昨年と同様に“的当て練習”の様相を呈するだろう。風は昨年大会と同程度と予想される。

パワーランキング:WGC HSBCチャンピオンズ

1位:ジャスティン・ローズ
「ライダーカップ」では3勝0敗2引き分けで、「ツアー選手権byコカ・コーラ」と前週の「BMWマスターズ」では4位タイ。昨年大会では単独5位だった。

2位:セルヒオ・ガルシア
「CIMBクラシック」では2位タイ。直近3試合ではいずれもトップ10以内でフィニッシュした。昨年大会では出場者でベストの「63」をマークし、単独4位に。2008年大会覇者。

3位:リッキー・ファウラー
「ライダーカップ」以来のプレー。世界各地で出場した直近9試合中8試合でトップ10。最近のメジャー3大会ではいずれも3位以内に入った。

4位:グレーム・マクドウェル
シェシャンでの過去2大会ではいずれも単独3位に。前週の「BMWマスターズ」では16位タイだった。

5位:アダム・スコット
先日の「日本オープンゴルフ選手権競技」での38位タイまでは、10試合連続でトップ20入りしていた。シェシャンでの2大会(2010年、2011年)は共に25位以内でフィニッシュ。

6位:ジェイミー・ドナルドソン
ストロークプレーの直近4試合はいずれも、(「オメガ・ヨーロピアン・マスターズ」での)7位よりも上の成績を収めている。先週の「BMWマスターズ」では4位タイ。昨年大会では8位タイだった。

7位:リー・ウェストウッド
2007年大会ではプレーオフで敗退。2010年大会は単独2位。先週の「CIMBクラシック」では13位タイで、直近6試合中4試合でトップ20入りしている。

8位:バッバ・ワトソン
「ライダーカップ」後はオフを取っていたワトソン。「BMW選手権」では単独2位、「ツアー選手権byコカ・コーラ」では14位だった。初出場の昨年大会では8位タイ。

9位:ヘンリック・ステンソン
直近の「ボルボワールドマッチプレー選手権」では2位。昨年大会の決勝ラウンドでは、予選ラウンドよりも18ストローク低いスコアを出した。

10位:ライアン・パーマー
常に安定性のあるプレーヤーだが、最近は特に好調。直近7試合のうち、「BMWマスターズ」での8位タイを含む4試合でトップ10入り(さらに2試合でトップ20入り)した。

11位:ハンター・メイハン
「フライズドットコムオープン」では失速し、3位タイに終わったメイハン。今年8月の「ザ・バークレイズ」では優勝した。シェシャンでは21位タイ(2010年)、7位タイ(2011年)という結果だ。

12位:アレキサンダー・レビ
大会初出場。今年4月の「ボルボ中国オープン」と2週間前の「ポルトガルマスターズ」で優勝し、レース・トゥ・ドバイでは現在7位。「BMWマスターズ」ではプレーオフで敗れ、2位だった。

13位:マーティン・カイマー
2011年大会覇者。今回のコースでは他に6位タイ(2009年)と8位タイ(2013年)と好成績を収めている。フェデックスカップのプレーオフシリーズでは7位タイ、16位タイ、23位タイという結果だった。

14位:ゲーリー・ウッドランド
大会初参戦。「CIMBクラシック」決勝ラウンドでは11アンダーの「133」で大会記録を出したが、2位タイに終わった。

15位:チャール・シュワルツェル
「CIMBクラシック」では19位タイで、2試合連続、ここ12カ月では17試合目のトップ10入りを果たした。本大会では16位タイ(2010年)、4位タイ(2011年)。

16位:キーガン・ブラッドリー
「ライダーカップ」以来のプレー。シェシャンインターナショナルGCでは何度もプレーし、20位以内も2、3度と有利な状況。昨年大会は11位タイ。

17位:イアン・ポールター
シェシャンインターナショナルGCとは相性の良いポールター。2010年と2011年大会ではそれぞれ13位タイで、昨年は単独2位だった。とはいうものの最近はスランプ気味で、今年7月以降で25位内に入ったのは1度だけ。

18位:マルセル・シーム
「BMWマスターズ」でのプレーオフを制し、レース・トゥ・ドバイで4位に浮上したシーム。直近3試合ではいずれも25位以内だった。本大会は初挑戦。

19位:ジョン・センデン
「CIMBクラシック」では7位だったセンデン。直近6試合のうち5試合で25位以内を記録。シェシャンでの成績は、2011年大会の単独19位のみ。

20位:松山英樹
「CIMBクラシック」での21位で、直近5試合連続のトップ25位入りを達成。PGAツアーランキングでは、トータルドライビング(フェアウェイキープと ディスタンスをポイント換算した数値)で首位、平均スコアは27位だ。

2014年 WGC HSBCチャンピオンズ