2014-15シーズン開幕前に押さえておきたい9つのポイント
By Brian Wacker, PGATOUR.COM
24日間のPGAツアーのオフシーズンが終わるまで、あと16時間29分。短いオフを挟み、現地9日からは、カリフォルニアのナパで開催される「フライズドットコムオープン」から2014-15シーズンがスタートする。
昨シーズンから“年またぎ”のスケジュールとなったフェデックスカップ。ジミー・ウォーカーが昨シーズン証明したように、フェデックスカップに向けて、初戦の結果による勢いが重要となるかもしれない。
2014-15シーズン開幕を直前に控え、今季注目すべき9つのポイントを紹介したい。
1.タイガー・ウッズの今季は?
タイガー・ウッズは復活できるだろうか?手術を受けた腰の状態は、カーダシアン姉妹の気性のように予測しやすい。ウッズ自身も術後の経過について「キャリアで最も衰弱した時期」と形容したほどで、PGAツアーで約20年長というキャリアを積み、幾多の負傷を乗り越えてきた彼の言葉だけに、それほどの怪我だったことがうかがえる。
昨シーズン終了後にはスイングコーチのショーン・フォーリーとの関係を解消したウッズは、当面1人でやっていくとしながらも、折を見て新たなコーチを見つけ、更なるスイング改造に着手するという。今後ウッズがメジャーで勝つと推測したとしても、通算15勝目を手にするまでには、時間がかかりそうだ。
2.ロリー・マキロイとフィル・ミケルソンはキャリアグランドスラムを達成するか?
ミケルソンは、昨年6月にパインハーストで開催された「全米オープン」でキャリアグランドスラム達成のチャンスを手にした。かつて6度も2位に甘んじた大会ながら、前回は28位タイでフィニッシュ。今シーズンの大会はワシントン州タコマのチャンバーズベイで開催される。同コースでメジャーが開催されるのは初めてで、林も池もなく、精神的に影響を与える要素が少ないだけに、レフティに適したレイアウトかもしれない。
そんなミケルソンよりも先にマキロイがグランドスラムを達成するには、「マスターズ」での優勝が求められる。過去6度オーガスタナショナルに挑んでいるマキロイだが、トップ10フィニッシュはわずか1度のみ。だが、これも運命のいたずらだろう。おそらく来年はグリーンジャケットを身にまとうようになるはずだ。
3.フェデックスカップ王者ビリー・ホーシェルの今季は?
プレーオフシリーズで2勝、2位という結果を残したホーシェル以上に、安定感を誇った選手はいなかった。「ドイツバンク選手権」では最終日の最終ホールでハザードに打ち込み優勝を逃しながらも、翌週の「BMW選手権」では優勝すると、最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」で2週連続優勝を果たし、フェデックスカップを制した。これまではカンシャクを起こす気性の持ち主と言われていたが、プレーオフでは成熟した姿が見られた。シーズンオフには父親になり、更なる飛躍が期待される今季だが、注目すべきデータもある。過去4年のフェデックスカップ王者は、現在までに合計4勝(メジャー以外)しか挙げられていない。
4.今季のジミー・ウォーカーは誰だ?
昨季ウォーカーが残した成績を見れば、いかに秋の大会での結果が重要か理解できる。「フライズドットコムオープン」で優勝後、ウォーカーは12位、6位という成績を収め、キャリアイヤーとも呼べた昨シーズン終盤までフェデックスカップランキング首位を守った。今秋の注目選手はケビン・ナ、そしてハリス・イングリッシュ。両選手ともにこの時期の大会に出場することが多く、どちらか、もしくは両選手ともにブレークする可能性はある。
5.アンソニー・キムは今季プレーするのか?
キムは、ここ2シーズン続けて1試合にも出場しなかった。PGAツアーシード権を保持するためには、2012年の賞金ランキング125位に相当する金額に到達しなければならないため、今季中に16大会で61万3,550ドルの賞金を獲得する必要がある。それもこれも、もし彼が出場できればと仮定した場合で、親指とアキレス腱の負傷の影響もあり、その可能性は低いと言わざるをえない。「マスターズ」2日目に11バーディを記録し、1ラウンドでの最多バーディ記録を更新した日から、早5年の月日が経った。スーパースターへの階段を歩み始めたと思われたが、今では彼が再び表舞台に立てる日が来るかどうかを疑問視する意見もある。