米国男子ツアー

世界ゴルフ殿堂が殿堂入りの基準を変更

2014/03/24 15:17

世界ゴルフ殿堂は、殿堂入り候補となる人物を選出する新たな選考基準を、2015年の殿堂入り候補者選考から適用すると、世界ゴルフ財団の理事長を務めるティム・フィンチェムPGAツアーコミッショナーが発表した。

投票と推薦に関するプロセスを全体的に見直す会議が昨秋に行なわれ、今回の変更に至った。同会議では、投票システムと決議機関に対する評価のほか、殿堂入り対象となる大会優勝数、年齢に加え、時代とともに変化する大会形態、そして投票権保持者に関することも議題に上った。

2015年以降は、16人からなる選考委員会が殿堂入り候補者を選定。殿堂入り候補となるには、投票により75%以上の支持を得なければならない。世界ゴルフ殿堂メンバーのナンシー・ロペス、アーノルド・パーマーゲーリー・プレーヤーアニカ・ソレンスタムが選考委員も兼任し、世界ゴルフ理事会メンバー、そして様々な機関からも広く選考委員を迎え入れる。

日曜日の会見にはロペス、パーマー、プレーヤーも出席。ソレンスタムはテレビ電話による参加となった。

フィンチェムは会見で、「ゴルフ殿堂は、偉大なプレーヤー、そしてゴルフに寄与した人物を称える場として設けられました。新たな選考法により、時代とともに変化、そして進化しているゴルフへの対応につながるでしょう。世界ゴルフ財団理事会も、今回の選考法の見直しについては満場一致で賛成しています。今回の変更を実現させるため、熱心に活動してくれたゴルフ殿堂チーム、そして今回の発表に参加してくれた殿堂メンバーに拍手を送りたいと思います」とコメント。

パーマーは、「今回の変化は殿堂入りにとって大きなステップになるでしょう。私は光栄にも40年前の1974年に、初めて殿堂入りを果たしたメンバーの1人です。2015年の殿堂入り候補を選出する選考委員を、ナンシー、アニカ、ゲーリーとともに務められるのは、名誉なことと思っています」と語った。

ソレンスタムは、「ゴルフは数世紀に及ぶ豊富な歴史を持つ世界的なスポーツです。ゴルフ界に大きなインパクトを残した選手、そして殿堂入りという最高位の栄誉を受けるに値する人物を選定する役割を与えて頂き、光栄に思っています」と話した。

選考委員会の設置に加え、選考資格、審査過程を監督する選考小委員会も設置された。小委員会は選考委員会に提出する最終候補者の選定を行う。選考小委員会は6人の殿堂メンバーを含む合計20人で構成する。

ロペスは、「世界ゴルフ殿堂が決断した変更は素晴らしいことだと思います。LPGA創設者、私の年代の選手、そして現在の選手に至るまで、女子選手はゴルフ殿堂の中でも重要な役割を担ってきました。そして今回の選考基準の見直しにより、女子選手が寄与しているという伝統が受け継がれていきます。選考委員に任命され、大変うれしく思います」と話した。

プレーヤーも選考委員に任命されたことを喜び、次のようにコメント。「殿堂入りの選考基準変更という大きな変革期に関われて光栄に思います。我々が愛し、享受してきた過去の伝統を重んじることは重要です。こうした経験をしている我々には、ゴルフ界の成功に大きく寄与した人物を表彰する責任があります。選考委員としての役割を楽しみにしています」。

新たな選考基準はPGA、LPGA、ベテラン、特別功労者という4つのカテゴリーに分けられる。

PGA/LPGA部門に適用される殿堂入り資格基準は現在のものと大差はなく、ツアー認可の大会で15勝、あるいは認可されたメジャー大会で2勝以上をあげた選手で、選考開始時に40歳以上、もしくは現役引退から5年以上経過した選手が対象。ベテラン部門に含まれるのは、主に1975年以前に現役を引退した選手。特別功労者は、競技外からゴルフ界に寄与した人物が対象となる。

新たな選考過程は、今春に予定されている選考小委員会から適用され、4つのカテゴリーに入る候補者の選定を行う。その後、PGA/LPGA部門に該当する男女5人ずつ、ベテラン部門に該当する3人、特別功労部門に該当する3人が選考委員に提案され、合計16人の最終候補が殿堂入りに相応しいか、今夏に議論される。新たに殿堂入りとなるには、委員会の75%から支持される必要がある。各年ともに、殿堂入りとなるのは5人以下で、2015年の殿堂入り資格者は今秋に発表される。

2015年以降は、殿堂入り式典は2年ごとに開催される予定で、2015年の次は2017年に開催される。世界ゴルフ殿堂は、式典を放送するテレビ局とプロモーション活動に力を入れ、式典を中継する地域の拡大に尽力する。2年ごとに式典を行うことにより、殿堂入り式典への関心を高めることにつながるとも見られている。

世界ゴルフ殿堂の最高業務執行責任者(COO)ジャック・ピーターは、「殿堂入り選考基準の変更、そして式典の開催間隔の変更は、協会に長期に渡る恩恵を与えるでしょう。今回の変更は、ゴルフの特色、候補者を考慮した上で設定されたものです。何よりも重要なのは、ゴルフ界に寄与した人物の表彰を継続することです。また、ゴルフ殿堂メンバーの責務を向上させる良い機会ととらえています。今回の選定基準見直しに関わった全メンバー、そして今後の選考過程に関わる全てのメンバーに感謝しています」と語った。