4番ウッドを使わなかったステンソン
By Helen Ross, PGATOUR.COM
大会の競技委員の懸念は杞憂に終わった。
金曜日昼過ぎの練習中に、4番ウッドのフェイスがへこんでしまったヘンリック・ステンソン。彼はそのクラブでプレーしないほうが良いことを、その前から知っていたようだ。
「練習場でウォーミングアップしていた時に、4番ウッドが少し変な音を出し始めたんだ」とステンソン。テレビに映ったそのシーンで、彼はそのクラブをスティーブ・ストリッカーに見せていた。「おかしな音を出していたから見てみたら、フェイスがへこんでいたんだ」。
ステンソンはそのクラブをロッカーにしまって、「ザ・ツアー選手権 by コカコーラ」2日目に「66」をマーク。4日間大会の折り返し点で2位に4打差をつけてをリードし、13本のクラブで充分だったことを悟った。
ホールアウト後、スコアカードを提出するトレーラーの中でステンソンは、PGAツアーの規則委員に質問を受けた。もし彼が破損したクラブをバッグの中に入れていたら、2打のペナルティを課される。さらに、もしその4番ウッドをラウンド中に使用していたら、ステンソンは失格となっていた。
「以前、僕がルールについてどれくらい良く知っているか、訊ねたことがあったよね?」とラウンド後の記者会見でステンソンは切り出した。「確か、70%くらいと言ったと思う。で、今回の件は僕の知らない残りの30%の話だったよ」。
「もし破損したクラブを、使わずにバッグの中に入れているだけで2打のペナルティを受けることを知っていたか?と聞かれれば、100%の確信はなかったね。でも、それは大いに有り得たことだね。コースに出る前にロッカーに入れておいて良かったよ」。
ステンソンは、初日のバックナインで4番ウッドを2度使った。そして、そのいずれもフェアウェイを外していた。2日目は同じ2ホールで3番ウッドを使ったが、前日より遥かに良いショットを放った。「4番ウッドをバッグに入れておかなくて正解だったよ」。
「結果的に、4番ウッドは必要なかったけど、唯一使う場面があったとしたら9番の2打目だったね。でも、結局バーディを奪えたから良かったよ」とステンソン。「だから、何の痛手もなかったんだ」。
ステンソンは、3日目に向けて代替のヘッドを探してみると話した。彼のキャディであるギャレス・ロードは、アトランタから30マイルほど離れたところにゴルフコースを持つ友人宅に宿泊しており、そこには修理施設もある。
「でも、たとえ同じヘッドであっても、いつも感触が同じとは限らないんだ。慣れないものでプレーするくらいなら、よく慣れたものでプレーした方が良いときもある」とステンソン。「感触を確かめて、判断するよ」。
今週月曜日の「BMW選手権」最終ホールでは、ティショットを池に打ち込んだフラストレーションからドライバーを壊したステンソンだが、今はユーモアを見せる余裕がある。
「先週の件を考えると、4番ウッドが自然に壊れたことは誰にも信じてもらえないだろうね」。ステンソンはニヤリと笑いながら言った。