ジョンディアクラシックで波に乗るリード夫婦
大会2日目の金曜日、午前中の組でラウンドしたパトリック・リードは、8アンダーの「63」をマークし「ジョンディアクラシック」でリーダーボードのトップに立った。ホールアウト後の記者会見で、彼は「私たち(WE)」という言葉を35回も使った。
これは米国ツアーのルーキー選手である彼が、自分のキャディに対してかなりの信頼を置いている証拠と言える。もちろんキャディを務めるジャスティン・リードも、夫であるパトリックのことを高く評価している。
「間違いなくチームワークです」と、パトリックは言い切った。彼は奥さんと一緒に夫婦でいるだけでなく、ゴルファーとキャディというコンビもこなし、彼らは「チームリード.com」というウェブサイトまで運営しているのだ。「彼女は全ての面でサポートしてくれます。ラウンド中、僕が風のチェックをすることはほとんどありません。彼女が全部教えてくれるからです。クラブの選択までしてくれます。僕よりも僕の距離感を理解しているんですよ。パットの読みも素晴らしい。言ってみれば、悪い所がないですね」。
では近い将来、「チーム・リード」にメンバーが増えたら?
「基本的には、僕たちのコンビは永遠に続くんだ」と、パトリック。「ただし子供を授かったら、その時は彼女にバッグを担いでもらう訳にはいかないね。そうですね、少なくとも3?4ヶ月の間はね。その後は再びカムバックしてもらいますよ」。
その点について、リード夫人はどう思っているのだろう?
「とても感謝されているな、と感じます。本当にね」と彼女は述べた。「彼の考え方が好きです。でも実際にそうなった(子供を授かった)ら、その時に決めたいと思います」。
大会初日の木曜日、スタートからの9ホールを1オーバーで折り返したパトリック・リードは、TPCディアランのグリーンスピードに苦しんでいた。そんな状況でも彼は冷静に自分のラウンドを振り返っていた。前半、パット数だけで15打も叩いてしまったリードは「もしうまく調整できなかったら、自分のパターで自分を殴りつけてしまいたいような気分になったかもね」と、素直な気持ちを打ち明けた。
果たして彼は、きっちりと調整してきた。「チーム・リード」は、初日の後半から2日目が終わるまでの27ホールを、わずか34パットで回った。さらに金曜日の17番(パー5)では、キャディのジャスティン・リードは、夫にパターを差し出す機会すらなかった。パトリックは37フィートからチップインを決め、自己ベストに並ぶ「63」で2日目を終えたのだった。
初日からの2日間、リード夫婦はビリー・メイフェアと同組でプレーした。ビリーの妻タミーも、夫を支えるキャディとしてラウンドを共にしていた。
「HPバイロンネルソン選手権」以降、キャロウェイ社のクラブとボールに変えてから、チーム・リードは波に乗っている。1ヶ月前の「フェデックス セントジュード クラシック」で5位に食い込んだ時は、プロになって間もないリードの短いキャリアの中で最高の順位だった。さらに初日と2日間を共に「66」で回った「トラベラーズ選手権」では、トップグループとして週末を迎えた。
夫婦として2度目の出場となる「ジョンディアクラシック」で、チーム・リードは今週末、大きな目的を達成するかもしれない。もし、ウィナーズサークルに入る(優勝する)こととなれば、リード夫妻は$828,000の賞金を手にする。キャディの取り分については「全英オープン」へ向かう機内の中で話し合えば良いだろう。「ジョンディアクラシック」の大会側は、チャンピオンに移動用のジェット機を手配する段取りをつけている。
キャディの取り分は基本的に(獲得賞金の)10%と言われている中、妻でもあるジャスティンは「その質問には答えられませんね」とおどけてみせた。「ディッキー・プライドが言うには、私が100%貰えるそうですよ」