2019年 ザ・メモリアルトーナメント

ミケルソンの二刀流復活 “飛ばす”と“狙う”ドライバー

2019/05/31 11:49
1Wでティショットを放つフィル・ミケルソン(Ian-Johnson-Icon-Sportswire-via-Getty-Images)

◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 初日(30日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7392yd(パー72)

フィル・ミケルソンが久々に“二刀流”でプレーしている。3バーディ、1ボギーの「70」で回った初日、キャディバッグの中に1Wを2本入れた。かつて「マスターズ」でドロー用、フェード用の1Wをラウンド中に使い分ける奇策も披露してきたレフティは、それぞれのクラブの目的の違いを説明した。

キャロウェイゴルフのエピックフラッシュシリーズを使うミケルソンがラウンド後に話したところによると、一番の違いはシャフト長で、1.25インチの差がある。長い方は飛距離を出したいときに使う。打ち出し角が16、17度という高弾道を生むが、「この高さでは14回(1ラウンドでパー3を除くホール数)ボールをコントロールできない」という弱点もある。

そこで助けになるのが、シャフト長が短く、スイングすると打ち出し角が11から12度に抑えられたもの。確実にフェアウェイをとらえたいホールで重宝する。2週後の「全米オープン」を含むシーズン残りの試合は、飛距離よりも精度を優先すべきコースが多いとの判断で、こちらを中心に使うつもり。ちなみに今週はバッグから3Wを抜いている。

ところで、ミケルソンが長いシャフトを装着してでも飛距離を求めるのは、いまも若い選手に対抗意識を燃やすから。「僕のスイングはたくさんの若い選手とは違うんだ。彼らは筋肉を速く動かしてボールを爆発させる。でも僕の身体は“けだるい感じ”で動く。スイングアークを大きくすることで、スピードを生むんだ」。こちらはヘッドスピードが約1.78m/s上がるとか。「全米オープン」の最終日(6月16日)に49歳になるベテランに、第一線を退く気はまだない。(オハイオ州ダブリン/桂川洋一)

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