心に残るモヤモヤと切り替え 小平智メジャー明けの連戦へ
◇米国男子◇トラベラーズ選手権 事前情報(20日)◇TPCリバーハイランズ (コネチカット州)◇6841yd(パー70)
メジャーを終えても息つく暇なく試合はやってくるのだ。「全米オープン」の会場(ニューヨーク州シネコック・ヒルズGC)から北へ約170km。のどかな田舎町にあるTPCリバーハイランズが今週の舞台。18日(月)に当地に移動した小平智は開幕前の2日間、コースで調整を続けた。
調子は悪くなく表情は明るい。それでも「少しテンションは下がっていますね」と苦笑いを浮かべるのにはワケがある。
予選落ちした前週、「あれほど難しいコースは経験したことがない」と小平。トップ選手たちから全米ゴルフ協会(USGA)のセッティングに批判的な声が出たほどの舞台で2日間18オーバーをたたいた。週末16日(土)はニューヨークの会場に残って練習した。
最終日を終えて心のモヤモヤをより大きくしたのは、ブルックス・ケプカの優勝スコアだった。1オーバーで耐え抜き「僕の技術で、あのスコアを出せる気がしない。そして彼らが今週も…」。周囲を見渡すとケプカや前年覇者のジョーダン・スピース、ロリー・マキロイ(北アイルランド)らの姿がある。世界ランキングトップ10のうち、5選手がメジャーからの連戦を迎える。
米ツアーのフィールドの厚さを再認識しながら、ショットメーカー有利とされる6841ydの短い林間コースに「予選通過してきたコースに似ている。得意な感じだから、プラスにとらえていく」と必死に前を向く。リベンジの舞台がすぐに訪れるのも2020年までのツアー出場権を所持するからこそ。今季は積極的に試合を重ね、好相性のコースを探す狙いがある。
今週を終えると1カ月半ぶりに一時帰国する。「良い成績を残して日本に帰りたい。コースによってスコアは全く違うはず。けっこうやれると自分が思うコースでも、周りのスコアがあんまり出てないってこともあるから」。得意とするところで力を発揮するのは、28歳の魅力の一つだろう。(コネチカット州クロムウェル/林洋平)