2018年 全米オープン

前回は「ダブルボギー」並みのミス 14年ぶりシネコック・ヒルズの全米OP設定は?

2018/06/07 08:36
シネコック・ヒルズで前回行われた2004年の「全米オープン」最終日。乾ききったグリーンに水がまかれた

◇メジャー第2戦◇全米オープン 事前情報◇シネコック・ヒルズGC(ニューヨーク州)◇7445yd(パー70)

2018年のメジャー第2戦「全米オープン」は14日(木)、ニューヨーク州のシネコック・ヒルズGCで開幕する。1891年に創立した全米最古のクラブで、全米オープンが開催されるのは5回目。2004年以来14年ぶりの開催で、コースセッティングは“長く、広く”された。

全米ゴルフ協会(USGA)の最高責任者マイク・デービス氏、トーナメントディレクターを務めるジェフ・ホール氏が5月下旬に言及したところによると、2004年に全長6996ydの設定だった18ホールは今回、449yd伸びて全長7445ydのパー70として競技が行われる。ティグラウンドは10カ所増設。中でも14番は443ydから519yd、16番(パー5)は540ydから616ydとそれぞれ長くなった。

「ただ単に距離を長くしただけでなく、木を伐採して風通しを良くした。ギャラリーが通るエリアを確保するとともに、コース内の自然の砂丘の美しさを披露できるようになった」とデービス氏。さらに、フェアウェイの幅を広くしたのも今大会の特徴のひとつとなった。このコースで全米オープンが開かれた過去3回のフェアウェイ幅は平均26ydだったが、今回は41ydとし、グリーンに向かって様々な角度から攻めることを許容した。

2004年大会では、USGAにとって別の点で苦い思い出がある。最終日の7番(パー3)でグリーン面が乾ききり、選手のボールが止まらないトラブルに見舞われた。デービス氏はそのことについても敏感だ。気候や芝の状態について予測できなかったミスを認め、「前回はボギー、いや、ダブルボギーだった」と運営上の責任を表現した。グリーンの形状、傾斜に変化はないが、グリーン面の芝の状態を測る器具を用い、細かい天気予報に基づいた対応を行うという。

ちなみに、先の「全米女子オープン」と同様、プレーオフの形式が今年から変わる。近年、男子は72ホールでトップが同スコアとなった場合、翌日18ホールのプレーオフ(その後はサドンデス)を実施してきたが、今年から2ホールの合計ストロークによるプレーオフを採用する(今年使用されるホールは17番と18番)。

4大メジャーは「マスターズ」が1ホールごとのサドンデス(18番)、「全英オープン」は4ホール、「全米プロ」は3ホールの合計ストロークと大会によって形式が違う。デ-ビス氏によれば、USGAは1ホールのサドンデスの場合、「例えば、最終組よりも1時間半前にプレーを終えてプレーオフに突入する選手にとって、待ち時間が長いと不利になるケース」を懸念。3~4ホールの合計の場合、最終ホールにたどり着く前に差がついて勝負がほぼ決まる恐れがあると指摘した。(ゴルフ解説者・アンディ―和田)

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