米国男子ツアー

DJやミケルソンも愛用 PGAツアーで“グリーンメモ”が流行中

2018/03/13 17:05
バルスパー選手権で優勝したポール・ケーシーのグリーンメモ

◇米国男子◇バルスパー選手権 最終日(11日)◇イニスブルックリゾート&GC(フロリダ州)◇7340yd(パー71)

タイガー・ウッズが優勝争いを演じた「バルスパー選手権」で、5打差の逆転劇を見せたポール・ケーシー(イングランド)。最終日は21パットとグリーン上での勝負が冴えわたった。彼のパッティングに貢献していたのは、いま男子プロの間で流行中の、グリーン傾斜が細かく描かれているメモ帳だった。

近年のGPSやグラフィック表示の技術向上により、進化しているこのグリーンメモ。複数の関係者が、自前のソフトウェアで傾斜を分析したものが、プロやキャディの手に渡っている。

昨年から人気なのはジム・ストラッカ氏が開発した「ストラカライン(strackaline.com)」。傾斜だけでなく、各ラウンドのカップの位置に応じた直線のラインを表示するプログラムが組み込まれており、トッププロにも好評だ。ケーシーのほか、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンフィル・ミケルソンセルヒオ・ガルシア(スペイン)らが使用しているという。

ストラカライングリーンメモは、(1)「フォールライン」というまっすぐ転がるラインを表示(カップまでの緑色のラインが上りを、赤色が下りを示す)するほか、(2)予想されるグリーンスピード(スティンプメーター数値)から、各選手が好むタッチの強弱でラインを表示することも可能。(3)傾斜の向きを示す矢印の量、傾斜の度合いを示す数字(%)の量もカスタマイズできる、といった特徴がある。

このストラカラインメモを日々、作成し、契約選手に提供しているのがプロキャディのジョー・デュプレンティス氏。PGAツアーは各ラウンドの前夜にピンポジションが発表されるため、そこから仕事が始まる。ホテルに紙とプリンター4台を持ち込み、毎晩印刷と製本を行う。「通常は夜中1時ぐらいまでに契約選手約40人分(各キャディ分を含めると80冊)ができあがるけれど、朝方までかかるときもあるんだよ」という。気になるお値段は1試合で1人300ドルの契約だ。

ストラカライングリーンメモを選手に提供しているデュプレンティス氏

デュプレンティス氏と最初に契約したのが、グレーム・マクドウェル(北アイルランド)と、何を隠そう今回優勝したケーシーだった。記者会見でケーシーにこのグリーンメモについて聞くと「とても役立っている。優れものですよね。一般ゴルファーにとってもグリーン上の傾斜を読み切るのに役立つと思う。また、私にとってはプレーを速くしてくれるような気もするんです」と話してくれた。「中でも一番に役立つ点は、グリーンに向かって打つショットのときですね。どの辺に打てば真っ直ぐのラインを残すことができ、易しいラインのパットになるかを考える事ができます。グリーン上ではあまり深く、細かく考えるようにはしていません。自分の読みが正しいかどうかの確認として参考にしています」

グリーンメモについてはR&A(英国ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)が今後、使用を規則違反とする可能性があり、議論が進められている。PGAツアーの選手会(PAC)の16人のメンバーのひとりであるケーシーは「私自身は両サイドの意見に同意しているんです。個人的にはプレーを補助するようなテクロノジーは使わない方が良いんじゃないかと思う。グリーンメモも使うのを禁止にしてもいいと考えています」と持論を述べた。

「しかし、(現段階で)そのようなテクノロジーを使うことが許されているのであれば、私にとって有利に働くのでもちろん使用しますよ。現在もPACではこの件は論議しているのでまた6カ月後ぐらいにどうなっているかお知らせしますよ」

(ゴルフ解説者・アンディ―和田)