プレーオフ負けのデイ 1.2m外して1年ぶりの白星スルリ
◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン 最終日(21日)◇TPCフォーシーズンズリゾート (テキサス州)◇7166yd(パー70)
天の神様は味方だったのか、それとも…。ジェイソン・デイ(オーストラリア)が、ビリー・ホーシェルとのプレーオフに敗れて1年ぶりの勝利を逃した。首位に2打差の3位から出て3バーディ、1ボギーの「68」で回り、通算12アンダーのトップタイで突入したプレーオフの1ホール目で1.2mのパーパットを外して敗れた。
正規の最終ラウンドでデイは貫録のプレーを見せた。3日目終了時点で発表された最終日の組み合わせは各組2人でのラウンドとなっていたが、雷雨の影響を受け、この日の早朝に各組3人に変更。デイは最終組のひとつ前で回るはずが、急きょラストグループを形成することになった。
元世界ランク1位の王者は、リードしていた同組のジェームズ・ハーン、ホーシェルにプレッシャーをかけてじりじりと追い詰め、ハーフターン時点で3人がトップに並んだ。終盤15番、デイはグリーン左手前のラフからバンカー越えのアプローチでチップインバーディ。頭ひとつ抜け出し、勝利をつかんだかに思われたが、終盤にほころびが出た。
16番(パー5)でグリーン左のカラーから“3パット”でパーとし、同ホールでバーディのホーシェルに再度並ばれた。
73ホール目のバーディパットは約10mの下りのライン。「ほんの少し強かったけれど、勝つためには仕方がなかった。リスクを負わないと勝てない」とカップの脇をそれて1.2mオーバーさせると、返しを左に外して終戦。「16番の“3パット”や、12番のボギーといったミスがあって、こういう結果にもなった」と悔やんだ。
昨年5月の「ザ・プレーヤーズ選手権」での勝利を最後にツアー通算11勝目が遠いが、「(今季は)トップ10がまだ1回(AT&Tペブルビーチプロアマ)だったことを考えれば、きょうは良いゴルフができたと思う」と満足感も漂わせた。昨年秋に離脱を強いられた腰痛、今春の母・デニングさんのがん手術への精神的負担など、多くを乗り越えて復活への道を歩んでいる。「残念ではあるけど、これが初めて負けた試合じゃない。これまでも負けてきたし、これからもたくさん負けるだろう。この経験から何かを得なくちゃいけない」
デイは今大会の2位で、前週、松山英樹に譲った世界ランキング3位の座に復帰する見通しとなった。(テキサス州アービング/桂川洋一)