松山&石川はガッツポーズ 日本代表はバウンスバックで出遅れ回避
◇国・地域別対抗戦◇ISPSハンダ ゴルフワールドカップ 初日(24日)◇キングストン・ヒースGC(オーストラリア)◇7111yd(パー72)
28の国と地域による対抗戦が開幕。第1ラウンドは1つのボールをペアで交互に打ち合うダブルス・ストロークプレーが行われ、松山英樹と石川遼の日本代表は4バーディ、3ボギー1ダブルボギーの「73」で回り、1オーバーの10位タイ。コースに吹き荒れた強風に負けず、単独首位のスペインとは4打差とまずまずのスタートを切った。
14年ぶりの“世界一”を目指し、赤と白のウエアで統一した日本チーム。「頭が真っ白になった。緊張で」(石川)という序盤は、両者の表情も硬かった。石川が2番(パー3)、3番と立て続けにグリーンを狙うショットを右サイドのバンカーに入れ、松山もリカバリーできずに2連続ボギーが先行。4番のバーディの後、6番(パー3)では3パットのダブルボギーをたたいた。
通算3オーバーで25位にまで後退。挽回はここから始まった。10番、石川が5Iで第1打をフェアウェイに置くと、松山が残り112ydの第2打でボールに鋭いバックスピンをかけ、1mにつけてバーディを奪った。
「10番はティショットからうまくいって、ペースをつかめた。(ふたりのパットの)ラインの読みが近かった」(松山)。次第にキャディを含めた4人での会話が多くなった。14番(パー5)をボギーとした直後、15番(パー3)で石川が手前のカラーから6mをねじ込んでバーディ。さらに難関ホールの16番では松山がフェアウェイから残り192ydを6Iで抜群の距離感を見せ、フック&スライスの7mを石川が流し込んだ。「みんなでラインを読んで入れた。個人戦ではないシチュエーション」(石川)。8つの目でラインを読んだ4人はみな、2連続バーディにガッツポーズを作った。
リズムを取るのが難しいフォーマットで、出遅れをなんとか免れた。スコアを伸ばしたい3つのパー5で、いずれも1Wショットを大きく曲げた石川。パッティングを決めきれなかった松山と、ミスは両者に出た。ラウンド、インタビューを終えて、それぞれ練習場へ向かう姿には、普段以上に悔しさと反省の思いがにじむ。
「自分たちはしっかり最後、15、16番で戻せて本当に良かったなと思いますね。僕が難しいときに(石川が)カバーしてくれた。お互いもう少しずつ良くなれば、かみ合う。残り3日間で出せたら優勝のチャンスもある」と松山。十分に巻き返しへの“伸びしろ”も感じさせながら、最初の関門を突破した。(オーストラリア・メルボルン/桂川洋一)