石川遼が挑む「公傷制度」からのシード復帰 その難易度は?
◇米国男子◇OHLクラシックatマヤコバ 3日目(12日)◇エル・カマレオンGC(メキシコ)◇6987yd(パー71)
2戦ぶりに予選突破を果たした石川遼は、ムービングデーとなった3日目に3バーディ、3ボギーの「71」とスコアを伸ばせず、67位へと後退した。
それでも、フェアウェイキープは初日の6回から、2日目は7回、3日目は9回と日増しに上昇。この日はアイアンの距離感が合わずにチャンスを量産することができなかったが「1打のクオリティという意味では、打った瞬間にダメというショットが今週はかなり少ない。アイアンは結構(想定より)飛んでしまうことが多かったので、振れているのかなと思う」。ゴルフ全体としては良い方向に進んでいるとの認識を示し「これを続けていけばいい」とうなずいた。
今季は公傷制度を利用して、ツアーに参戦している石川。前週までに2試合を消化し、稼いだのは62ポイント(15万ドル)。今大会を含む残り18試合でさらに337ポイント(もしくは50万5788ドル)を積み上げることで、まずは今シーズンの残り試合の出場権を確保できる。
ちなみに、直近2シーズンのデータを見てみると、公傷制度を利用してポイントランキング125位以内に入り、シードを獲得した選手は多くない。2015-16年シーズンは適用30選手中、フレディ・ヤコブソン(スウェーデン)ただ1人。2014-15年シーズンでは、同じく32選手中、スコット・ピアシーとスペンサー・レビンの2人だけだ。
話は横道に逸れるが、ヤコブソンは息子の心臓手術のために、2015年6月以降のPGAツアー参戦を休止した。PGAツアーは息子と家族のそばにいることを望んだヤコブソンに、ケガと同様に制度を適用し、彼のツアー復帰をサポートしたのだ。
※外部リンク(英語):ヤコブソンの決断とツアーのサポート
今大会3日目を終え、首位と1打差の2位につけるパット・ペレスも、今シーズンは肩のケガによる公傷制度を利用して戦っている。開幕前のノルマは、15試合で420pt(もしくは67万50ドル)というものだったが、すでに2試合で106pt(24万2683ドル)を稼いでおり、単独3位以上で終えればクリアすることになる。
予選通過を果たしたものの、ここまで下位に沈んでいる石川。前向きな手応えは口にするが、結果を残すための時間もまた限られている。まずはあすの最終日に1ポイントでも多く稼ぎたいところだ。(プラヤ・デル・カルメン=メキシコ/今岡涼太)