ショットは散々だけれども…首位ケプカ、2位スピースのスコアメーク
54ホールの大会記録に並ぶ通算16アンダーで首位に立つブルックス・ケプカと、2打差の通算14アンダーで追い掛けるジョーダン・スピース。米国男子ツアー「AT&Tバイロン・ネルソン選手権」最終日は、この2人が最終組で対決する。
2人合わせて30アンダーとバーディを量産しているが、ともにショットは曲がってばかりだ。この日の最終18番、普通は1Wで打つティショットでスピースが手にしたのはアイアンだった。「ウッドだと、どこに行くか分からないから――」。
「不幸にも退屈じゃないラウンドだった」と、スピースは自嘲気味に自身のラウンドを表現した。フェアウェイキープは50%(55位タイ)、パーオン率は61.1%(48位タイ)、14番ではティショットを池へと入れた。1パットが11ホール。多くのピンチを切り抜けた末の「67」だった。
「14アンダーでこの位置にいて、前向きにならないというのは自分にとっては難しい。けれど、今、自分がスイングを取り戻すために感じているストレスを知っている人たちは、これが大いなる挑戦だと分かるはずだ」とスピースは言う。「オーガスタでは、もっと球をコントロールできていた」と付け加えた。
一方のケプカも「ショットはひどかった。何も誇れるものはない」と苦笑い。「でも、パターだけは良かった」と振り返った。「先週、ナイキ・メソッドの新しいパターに変えたんだ。今は海(のような大きなカップ)に向かってパットを打っているように感じる」。3日間のストローク・ゲインド・パッティング(パットのスコア貢献率)は「1.873」で、今季の自身平均「0.236」から、大幅な改善を見せている。
「(昨年初優勝した)フェニックスでも、ショットの調子は良くなかった。おかしなものだね。ショットの調子が良くないときの方が、精神的には集中しているんだと思う。より良いゲームプランを立てること。それこそ、今自分たちがやっていることだ」。
2人の下には、通算13アンダーでセルヒオ・ガルシア(スペイン)、マット・クーチャー、バド・コーリーが続いている。首位に立つケプカから見ても、3位集団との差はわずかに3打。最終組の状態を考えると勝者の予測は困難だ。(テキサス州ダラス/今岡涼太)