マッチプレー歴代王者 ポールター&ドナルドはいまプエルトリコに
メジャーや世界選手権シリーズと同じ週に行われる“裏開催”の試合を、米ツアーではAlternative EventやAdditional Eventなどと表現する。今週、テキサスで開催中の世界ランキング上位64人が参加する「WGCデルマッチプレー」の出場権を逃した選手たちによる大会が「プエルトリコオープン」だ。
例年、マイアミでの「WGCキャデラック選手権」の裏で行われていたプエルトリコの戦いは今年、日程変更によりマッチプレーと同じ週になった。旬を過ぎてなお元気なベテランや、岩田寛のようなツアーの新参者がステップアップを期す試合。だが、米国本土からわざわざ海を渡ったのは近年のスター選手も例外ではない。
イアン・ポールター、ルーク・ドナルド(ともにイングランド)はそれぞれ「WGCデルマッチプレー」(当時の名称はアクセンチュアマッチプレー)の2010年、11年大会のチャンピオン。2人の世界ランクは現在67位と92位。いずれも12年を最後に欧米でのタイトルから遠ざかっており、今年はプエルトリコにやってきた。
元世界ランク1位のドナルドが3日目を終えて2アンダー45位と苦しむのに対し、ポールターはこの日を通算11アンダーの単独首位で終えた。
ポールターは待機選手1番手だったデルマッチプレー出場に早々に見切りをつけ、今週火曜日の深夜に当地に入った。「マッチプレーを欠場する選手はいないみたいだったから(拠点のある)オーランドにすぐに戻った。僕にとっては試合に出て状態をキープすることのほうが重要だ。それに世界ランキングのポイントも稼ぐチャンスなんだから」。
2週後の「マスターズ」は前年12位に入ったことで既に出場権がある。試合感覚をキープするためにも“裏開催”の試合をキャンセルする理由はなかった。
メジャー、WGCの常連メンバーの激しい入れ替わり。これこそ世界最高峰のツアーのレベルだ。(プエルトリコ・リオグランデ/桂川洋一)