ミルクシェイク片手に帰路 松山英樹「糖分が必要」な理由
米国男子ツアーの「アーノルド・パーマー招待」は17日、フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開幕する。4試合にわたる同州シリーズの最終戦。前日16日のプロアマ戦でコースチェックを終えた松山英樹からは、ショットの不振から来るイライラモードが発動された。
「懐かしいでしょ、若返るでしょう?」。2週ぶりの出場試合を前に散髪した松山は、アマチュア時代、プロ転向直後を思い起こさせるサンバイザー姿で調整した。
ところが、コースで、練習場で、コントロールされないボールを放つたびに、フラストレーションがたまっていく。プロアマ戦の間も、スマホで何度もスイングをチェック。ラウンド後のドライビングレンジでは、頭に血が上った様子で、アイアンショットの途中で思いきって練習を打ち切った。「悪いんで、仕方ないです」。頭頂部を逆立ててセットしたヘアスタイルが、こんな日は妙にマッチした。
前週のオープンウィークは州内の自宅で静養に努めた。「練習もほとんどせずに、休んでいました」というが、その理由のうち、先月下旬に発症した股関節痛の影響は「1割くらい」。先を見据えたコンディション調整を優先した。
今大会は21位で終えた昨年に続く2度目の出場。フロリダで出場した直近2試合(ザ・ホンダクラシック/PGAナショナル、WGCキャデラック選手権/トランプナショナルドラール)、そしてこのベイヒルは、いずれもフラットで池が多く、ロングドライブが歓迎されるという共通点がある。
その上で松山は「この3つの中では、ラクかなと思います。ラフは深いけれど、バンカーが効いているコース。(ウォーターハザードへの)プレッシャーはありますけど、まだ僕にとってはやりやすい方かな」という。
勝負の行方は「自分の調子次第」。だから、状態が上がらないことが腹立たしい。
帰り際、松山は選手ラウンジで振る舞われるミルクシェイクを片手に車に乗り込んだ。「糖分が必要なんです。イライラしてるから!」。とはいえ、この日のプロアマ戦をアンダーパーで回ったのも事実。ジェイソン・デイ(オーストラリア)、ザック・ジョンソンといった昨年のメジャー覇者2人と回る初日のスタートは午後0時56分。遅めのティオフ時刻を、どうぞ穏やかにお迎えください。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)