岩田寛は2連続バーディ締め 最終日にアンダーパー
フロリダ州のイニスブルックリゾートで行われた米国男子ツアー「バルスパー選手権」最終日。岩田寛はショットに苦しみながら、上がり2ホールを連続バーディとする「70」(パー71)で回り、通算2オーバーの33位タイで4日間を終えた。
ショットに復調の兆しが一向に見られない。岩田は序盤からイライラを抱えながらプレーした。前半2番で手前から3mを沈めてバーディを先行させたが、3打目が前方の木を直撃した5番(パー5)でボギー。8番(パー3)ではフェアウェイウッドでの第1打を左の藪の中に打ち込んで3オン2パットのダブルボギーを喫して後退した。
不満顔が続くラウンドが好転し始めたのは、折り返しの9番。左手前から15mのバーディパットを打つなり、スタスタと歩き出すと、ボールはカップに沈んでバーディを奪取。その姿を目にした現地のギャラリーからは、笑い声の混じった大きな拍手が飛んだ。
「(前日までの)3日間、長いパットが、ラインに乗っているのに弱い、というのが何十ホールもあった」という。反省を生かして心がけた強めのタッチ。17番(パー3)でティショットをピン手前3mにつけたチャンス、18番では段を上る10mを鮮やかに沈め、2連続バーディフィニッシュを決めた。「きょうはパターをとにかくオーバーさせようと考えていた。入ったのはたまたまかもしれないですけど」。もちろん、ボールが消える前にはとっくに歩き出していた。
「調子は良くなかったんですけど、アンダーパーで回れた」。オフの前週につかみかけたショットへの自信はもろくも崩れたが、持ち味であるショートゲームで耐えた。「自信はないですね…」というが、今大会のストローク・ゲインド・パッティングは全体6位(+5.263)、バンカーセーブ率は全体5位(66.7%)と、数字が証明。フェデックスカップポイントランキングも101位から93位に上げた。
次週の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」は出場権がなく、翌週の「プエルトリコオープン」が次の試合になる。オフとなる1週間は再びフロリダで調整予定。「良くなったと思ったショットが(今週は)良くなかったんで、来週また考えて打ち込んでという感じですかね」。考えるイワタは再び悩んでカリブ海を渡る。(フロリダ州パームハーバー/桂川洋一)