2015年 ザ・プレジデンツカップ

松山英樹「次につながる」最終ホールで白星奪取

2015/10/11 17:37
最終ホールで決着をつけ、チームメイトに笑顔で迎えられた松山英樹

韓国のジャック・ニクラスGCで開催された「ザ・プレジデンツカップ」最終日。松山英樹はシングルス戦マッチプレーでJ.B.ホームズを1アップで下した。オールスクエアで迎えた最終18番(パー5)でバーディを決めて勝ち越し。世界選抜は惜敗したが、1ポイントをチームにもたらした。

意地と意地のぶつかり合い。相手のミスから2番で1アップと先行した松山は、中盤に苦しい展開を強いられた。前半アウトで奪ったバーディは4番でのひとつだけ。4日間で最も冷たい風と、強い雨も時折浴びた。ハーフターン直前には手首に痛みを感じるアクシデントも発生。10番で2ダウンとビハインドを背負ったが「最後の方はそんなこと言っていられなかった」と力を振り絞った。

スコアを伸ばせないフラストレーションとも戦いながら、我慢が終盤に実を結ぶ。1ダウンで迎えた14番。ホームズが1オンを狙ったパー4で、1Wショットは手前のクリークに落ちた。ドロップしたエリアは、松山が思い描いた地点よりもグリーンに近かったが、ホームズはペナルティ後の3打目からパーを拾えず、振り出しのオールスクエアに戻った。

松山が16番で6mのバーディパットを沈めて1アップとリードとした直後、17番(パー3)でホームズが右サイドの池からの風に乗せてピンそば1mにつけるスーパーショットを見せ、土壇場で再びオールスクエアに。それでも最終18番(パー5)で一進一退の戦いにケリを付けた。3打目は両者グリーン手前からアプローチ。先に打った松山はピンそば80cmにピタリとつけた。重圧を受けたホームズは、手汗を2度拭いてウェッジを振ったが寄せきれず、バーディパットも外してガックリ。松山は確実に沈めてニック・プライス主将をはじめ仲間たちからの祝福を浴びた。

惜敗した世界選抜の選手は試合後、オーストラリア出身の応援団「ファナティクス」の輪に加わった

初日にアダム・スコット(オーストラリア)とのコンビで挑んだフォアサムに敗れたものの、2日目の“オフ”を挟み、週末は2勝1分け。世界選抜の2.5ポイントに貢献した。

1998年大会以来となる世界選抜の2勝目はならなかったが、松山にはつかんだものもある。「最後も短いパットだったが、プレッシャーのかかる場面。楽ではなかったが、決められたのは次にもつながる」。次週は2015-16年の米ツアー開幕戦「フライズドットコムオープン」に出場。松山にとっての本格参戦3シーズン目が早くもスタートする。(韓国・仁川/桂川洋一)

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