「上向いている」松山英樹、優勝逃すも次戦に手応え
マサチューセッツ州にあるTPCボストンで行われた米国男子ツアーのプレーオフシリーズ第2戦「ドイツバンク選手権」最終日。首位と5打差から出た松山英樹は、3バーディ、5ボギー、1ダブルボギーの「75」(パー71)とスコアを落とし、通算4アンダーの25位タイでフィニッシュ。優勝したリッキー・ファウラーとは11打差と、優勝争いに絡むことはできなかった。
最終18番は4パットのダブルボギーフィニッシュ。上がり4ホールで4ストローク落とした松山だったが、その表情は意外にもさばさばしていた。「上がりは悔しいけど、それ以上に良い感覚が増えてきている」。
この日、同組となったダニエル・バーガーは“超”が付くほど神経質な選手だった。1番でバーガーがバーディパットを打つ前に、左後方に離れて立っていた松山を“気になる”とどかし、その後も周囲の小さな音や動きに敏感に反応。ついに7番ホールでは、前組と離れたために、競技委員にペースを上げるように促された。
「1人でゴルフしない限り、そういうことはあるので」と受け流した松山だったが、首位を追い上げる雰囲気を作るのは、難しい作業だった。
5番で2m弱のバーディパットを決めきれず、6番、7番と立て続けに1.5mほどのショートパットを外して連続ボギーで7アンダーに後退。「早めに10アンダーに乗せられたら良かったけど…」というプランは崩れた。
それでも、14番ではグリーン奧からチップインバーディを奪い、右手拳で力強いガッツポーズ。続く15番は、会心の2打目がピンに当たって花道まで戻ってきてしまう不運。アプローチを寄せきれずにボギーとしたが、「バーディとボギーはギリギリのところだった」とポジティブに受け止めながらのプレーだった。
優勝争いで崩れた悔しさと、良い感覚が増えてきた喜び。松山は「(調子が)上向いている満足度の方が大きい」と汗をぬぐった。「ショットもパットも。パットは良くなってきているはず…(苦笑)」。
次戦は2週間後にシカゴ近郊で開催されるプレーオフ第3戦の「BMW選手権」。「1週間空いて2試合あるので、しっかりと準備して、また再来週“優勝争いをばっちりできます”ってくらいの状態で入りたい」と語った。落胆ばかりではない、月曜日のフィニッシュだった。(マサチューセッツ州ノートン/今岡涼太)