5打差を追う最終日 松山英樹「後半に勝負をかけたい」
マサチューセッツ州にあるTPCボストンで行われている米国男子ツアーのプレーオフシリーズ第2戦「ドイツバンク選手権」3日目、松山英樹は4バーディ、2ボギーの「69」(パー71)でプレーして通算8アンダーとし、首位のヘンリック・ステンソン(スウェーデン)とは5打差の6位で最終日をプレーする。
松山の全身から、漂う雰囲気が変わってきた。17番のバーディパットは15m。球側から、カップ側からと入念にラインを読み、さらに横に回って鋭い眼光でしっかりと傾斜を把握。どんなに小さく思えるチャンスも無駄にはしない――そんな熱意がひしひしと伝わってくる。
「グリーンが硬くなっていた」という3日目のコンディション。少ないチャンスの前半だったが、9番で2.5mを沈めてバーディを先行させた。続く10番は5mを沈めて連続バーディ。好調なパッティングがスコアメイクに貢献した。
小技で傷口も最小限に食い止めた。3番(パー3)ではティショットをグリーン奧にこぼしたが、小さなフロップショット※でピンそば30cmにつけてパーセーブ。14番では2打目をグリーン左手前50ydにあるバンカーにいれ、バンカー外にスタンスを取りつつ、足のはるか下にある球を綺麗にフェアウェイへ戻すと、4打目のアプローチはカップをかすめて50cm。「よくボギーで上がれた」とうなずいた。
15番でバーディを奪い通算8アンダー。だが、16番(パー3)ではティショットをグリーン左に外し、「欲を出しすぎた」というアプローチはカップを5mオーバーしてボギーとした。それでも、昨日イーグルを奪った18番(パー5)は、残り219ydの2打目を5Iでピン手前6mへと運んで2パットのバーディフィニッシュ。2日連続のイーグル奪取とはならなかったが、18番はこの3日間で4アンダーと荒稼ぎだ。
明日は、6月の「ザ・メモリアルトーナメント」以来3ヵ月ぶりに、トップ10圏内で最終日をプレーする。「チャンスはあるかなとは思うけど、ばっちり優勝を狙いますという感じではない」という松山だが、「久々だし楽しみ。前半でしっかり追い付いて、後半に勝負が掛けられるようなゴルフをしたい」と気合いを込めた。(マサチューセッツ州ノートン/今岡涼太)
※ボールを柔らかく上げて止めるショット。距離の短いロブショットを“フロップショット(Flop Shot)”と呼ぶ。