2015年 全英オープン

24歳の富村真治 聖地は故郷のコースに似ている

2015/07/16 07:15
東北福祉大出身の富村真治(一番右)。無欲で初のメジャーに挑む

ゴルフの聖地には失礼なことかもしれない。ただ、思わずにはいられなかった。「どうだ、初めてのセントアンドリュースは?」。テレビ解説を務める青木功に声をかけられた。本音を言うか逡巡し、思い切って胸の内を明かしてみた。「僕が慣れ親しんだ沖縄のパブリックのようなコースです…」。世界のアオキは目を細めて言った。「オレもそんな感じがするなあ」――。

24歳の富村真治は現在、日本ツアーで賞金シード獲得を目指す若手のひとり。5月末の「~全英への道~ミズノオープン」で3位タイに入り、16日(木)に開幕する「全英オープン」で海外メジャーに初出場する。

那覇市で生まれ、近所に住んでいた宮里美香には小学生の時から“弟扱い”されている。前週にスコットランドに入ってから、当地で3ラウンド以上プレー。「もちろん歴史を感じるし、重みを感じるけれど、沖縄のパブリックみたい。そんなにグリーンも速いわけではないし、キレイとも言えない。人工的な感じがしない。それくらいの遊び心も必要なんじゃないですかね」と、淡々と伝統のコースを見渡した。

増田哲仁コーチに指導を仰いだ今季、プレースタイルが大きく変わり始めている。1Wショットにして20yd、アイアンにして1番手距離が伸びた。「僕は飛ばない選手だった」と振り返るが、今大会の直前は東北福祉大で1学年下だった松山英樹と練習ラウンドを重ね、後輩をオーバードライブする1打を放つごとに自信は深まった。

腰は低いが、世界のトッププロに物怖じする様子もない。「4日間やりたいなというのは、素直に思っていること。予選落ちするよりも今後につながる材料の量が違う」と富村。聖地での戦いを飛躍の足掛かりにしたい。(スコットランド・セントアンドリュース/桂川洋一)

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