ミュアフィールドビレッジに刻まれた前年覇者・松山英樹の名前
オハイオ州で4日(木)に開幕する米国男子ツアー「ザ・メモリアルトーナメント」。松山英樹が前年度王者として登場する会場のミュアフィールドビレッジGCには、至るところにその名前が刻まれている。
大会ホストのジャック・ニクラスの庭として知られるコース。リゾート内外の車道、歩道には歴代優勝者のフラッグが各所に立っている。タイガー・ウッズをはじめ、トム・ワトソンやグレッグ・ノーマンといったレジェンドと並んであるのが、松山の雄姿だ。
クラブハウス前の石碑や、メディアセンター内で額に納められた写真、オフィシャルグッズのTシャツなどにも「2014 HIDEKI MATSUYAMA」の文字がある。
そんな名誉を松山も素直に喜ばしく感じている。「気持ちはいいですよね。僕がいままでディフェンディングチャンピオンとして試合に出たのは、(2012年)三井住友VISA太平洋マスターズだけだった」。日本ツアーでアマチュア時代を含め通算6勝だが、年間4勝を挙げた翌年の14年には早々に米国進出。プロとしては初めて連覇を狙う大会となる。
5月「ウェルズファーゴ選手権」を最後に2週間のオフを取り、前週末にオハイオ入り。31日(日)、1日(月)と続けてコースチェックを行った。この月曜日はアウト9ホールをプレー。ティグラウンドでは現地の年老いた男性ギャラリーから「ヒデキ、お帰りなさい。チャンピオンとしてすばらしいプレーができることを祈っています」と声をかけられた。
「頑張らないといけない」と期待を痛いほど感じているが、現段階では「調子は悪い。練習場ではいいかなあと思っても、ラウンドになるとショットが悪くなるんですよね」と自己評価は厳しい。雨の降った午後のコースチェックでは「ああ、もう!このコース長い!」と、フェアウェイ上で嘆く場面もあった。一度制してはいるが、そう簡単に望ましいイメージがわく難易度ではない。
「試合前に調子が悪い、悪いと言いながら、いい成績が出たことももちろんあるし(周囲に)そう思われているかもしれませんけど…。これは真面目な話。良くない」。開幕3日前から、人もまばらなドライビングレンジで午後6時過ぎまで居残り練習。周囲の歓迎ムードに、ただ酔いしれているばかりではない。(オハイオ州ダブリン/桂川洋一)