マスターズ王者が出遅れ スピースの連続アンダーパーラウンドは16でストップ
サウスカロライナ州のハーバータウンGLで16日(木)に開幕した米国男子ツアー「RBCヘリテージ」。前週の「マスターズ」でメジャー初優勝を遂げたジョーダン・スピースは初日、1バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの「74」(パー71)で回り、3オーバーの93位と出遅れた。
毎ホール、ティグラウンドに入るたびに大きな拍手が鳴り響く。だが「ドライバーもアイアンも、アプローチもパットもダメ。きょうはオフの日だった」とため息をついた。
1番から出てバーディを奪えないまま、2つスコアを落として迎えた後半14番(パー3)で、ティショットをグリーン手前の池に入れてダブルボギーを叩いた。続く15番(パー5)で2mのチャンスを活かしたのが、この日唯一のバーディ。過去2度の出場で一昨年は9位、昨年12位と相性も悪くないトーナメントだが、好発進とはいかなかった。
とはいえ、この日のオーバーパーラウンドは、21歳の最近の高レベルでの安定ぶりを際立たせるものとなった。連続アンダーパーラウンドが「16」でストップ。3月「WGCキャデラック選手権」最終日に「72」を記録して以来のイーブンパー以上のスコア。マスターズまでの直近4試合は、優勝→2位→2位→優勝という凄まじい成績を残してきたが、そのすべてのラウンドでアンダーパーをマークしていたわけだ。
メジャー制覇を遂げた翌日から2日間は、マスターズ王者として恒例のニューヨークでのメディア訪問を行ったスピースだが「そんなの言い訳になりません」と話した。「きのうは少しアプローチの練習をして、きょうもボールをしっかり打ってから1番ティに立ったわけですから。疲れはもちろんありますけど、一緒に回った(マット)クーチャーは僕より年上ですが、僕と同じ4週連続出場です(クーチャーは3アンダー4位発進)」
メジャーで優勝を果たした選手が、翌週の試合も制したケースは過去に10例しかない。直近では2006年に「全米プロゴルフ選手権」、「WGCブリヂストンインビテーショナル」で2週連続優勝を飾ったタイガー・ウッズ。「マスターズ」王者に限定すると、この「RBCヘリテージ」で連勝を決めた85年のベルンハルト・ランガー(ドイツ)だけだ。
誰もが認める“お疲れモード”でのプレーにも「きょうは残念だったけど、あしたまでに状態を整えたい」とスピースは潔かった。(サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランド/桂川洋一)