復帰のウッズが「69」で決勝ラウンド進出「まだ36ホールある」
ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開催中のメジャー今季初戦「マスターズ」。1オーバーの41位タイから2日目をプレーしたタイガー・ウッズは4バーディ、1ボギーの「69」をマークし、通算2アンダーの19位タイに巻き返して決勝ラウンドに進んだ。
「予選通過するか否か」は、不振から2カ月ぶりに復帰した状態をはかる上での、大きな指標だった。だがウッズはこの知り尽くしたコースで、周囲をひとまず納得させる形で、その答えを出した。「やってきたことを誇りに思う。キャリアではもっといいスコアもあったはずだけれど、自分のベースとなる部分(スイング)を変えているところで、メジャーを最後まで戦えるのは胸を張れる」
午前中にティオフしたこの日は、出だし1番でフェアウェイからの残り183ydの2打目をピン奥2mにつけてバーディ発進。グリーン奥からのアプローチをミスした6番(パー3)でボギーを叩いたが、続く7番から2連続バーディを決めた。
最高の見せ場は、2日間トータルで最難関のアーメンコーナー11番。第1打を大きく右に曲げた後、2打目をピン手前4mにピタリとつけた。フックラインを冷静に読み切って4つ目のバーディ。左手でパターを空に突き上げて歓声を一層大きくした。
終盤にかけてスコアカードにはパーが並んだこと、首位のジョーダン・スピースが独走態勢を作ったことについては、例年よりもスコアの出やすいセッティングへの嘆き節が止まらなかった。
「グリーンが軟らかすぎる。今朝、トーマス・ビヨーン、マーク・オメーラ、トム・ワトソンとも話したんだ。きのうは信じられないくらいグリーンが遅かったねって。そうしたら、きょうも遅かった。ボールがバックスピンで戻ってくるわ、(ボールに高さの出ない)5番アイアンでのショットでボールマークはできるわ…それは、ここでは普通じゃない」
この日も勝利をあきらめる素振りを見せなかった。「トップとは12打差あるけれど、上に多くの選手が詰まっているわけではない。36ホールあれば、なんだって起きる。知ってるだろう?96年大会を」。ニック・ファルド(イングランド)が、最終日に首位のグレッグ・ノーマン(オーストラリア)との差、6ストロークをひっくり返して優勝した19年前。当時まだアマチュア選手として出場していた時の事例を挙げて、ウッズは闘志を奮い立たせた。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)