2014年 WGC HSBCチャンピオンズ

後輩・松山英樹も発奮 岩田寛がWGCでベストスコア!

2014/11/07 18:35
最終9番でもフックラインの微妙なパーパットを沈めてノーボギー。岩田がWGCで圧巻のプレーを見せた

中国のシェシャンインターナショナルGCで開催されている「WGC HSBCチャンピオンズ」2日目。岩田寛が7バーディ、ノーボギーの会心のゴルフでベストスコア「65」を叩き出した。通算6アンダーは単独首位のグレーム・マクドウェル(北アイルランド)に4打差の3位タイ。初の世界選手権シリーズで才能の片鱗を披露した。

グリーン上でチャンスを何度も逃して初日1オーバー。この日もスタートホールの10番でバーティパットを決めきれず、続く11番ではフェアウェイバンカーからの第2打がアゴに当たり「すごくイライラした」と、悪い予感が頭をよぎった。それを吹き飛ばしたのは直後のプレー。ラフから残り90ydの3打目をグリーンに置き、4mを沈めてパーセーブ。後に続くバーディラッシュの幕を自ら開けた。

13番から2m以内のチャンスを確実にものにして2連続バーディ。16番で3つ目を奪って折り返すと、後半アウトは圧巻のトータル9パット(18ホール21パット)。「寄せようと思ったのが、ストロークがすごく良かった」という4番では、段の上から12mのラインを読み切るなど、4バーディを重ねた。

世界のトッププレーヤーが集うWGCでリーダーボードの上位に名前を掲げても「まだ2日目」と淡々。プレー中に動きを止めないマナーの悪い一部のギャラリーについても「あえて止めないで、動くものだと思ってやっていた」。余計な高揚感はまだ微塵もない。

9月「フジサンケイクラシック」で悲願の初優勝。あと一歩が届かない未勝利の時間が長かったが、国内ツアーを戦う選手たちからは、かねてからスイングの美しさやテンポに定評があった。その岩田も感嘆するのが後輩のショット。「アイアンショットは英樹のが好き。完全に世界クラス。いつも調子悪いって言ってるけど…」。同じ東北福祉大OB・松山英樹を追うように、年末には米ツアー下部ウェブドットコムツアーの最終予選会に挑戦する。

そしてその後輩にとっても、岩田は惹きつけられる存在だ。この日の松山は先にホールアウトして先輩のビッグスコアを確認。「ずっとお世話になっていて、ずっとうまいなあと思っていた。今年、成績がいいのにも僕はまったく驚かない。QTを受けるということなので、(一緒に戦う)チャンスがあれば、僕も頑張らないとなと思う」と頷いた。

残り2日、「意気込み?…我慢。我慢すること」とスタイルを変えるつもりはない。ムービングデーは最終組ひとつ前でのラウンドで、じっくりと快挙のチャンスをうかがっていく。(中国・上海/桂川洋一)

2014年 WGC HSBCチャンピオンズ