松山英樹、後半にショット復調「10段階で言ったら…」
優勝争いにこそ加われなかったが、サンデーバックナインだけには納得できた。マレーシアのクアラルンプールG&CCで行われた米国男子ツアーとアジアンツアーの共催競技「CIMBクラシック」最終日。4アンダー22位タイから出た松山英樹は5バーディ、2ボギー「69」で回り、通算7アンダーの21位タイでフィニッシュした。
チャンスを逸し続けた序盤の流れは6番からの2連続バーディで寸断。インでは2ボギーのあと、15番でグリーンエッジからパターで沈めるなど3バーディをもぎ取ったが、充実感いっぱいに語ったのは、数字だけでは言い尽くせない部分だった。
「後半になってやっとショットが思い通りに打てるようになった。曲がっていましたけど、いい感じに振れるように。そのおかげでしっかりバーディを獲ることができた」
特に納得したのは最終18番、フェアウェイからの3打目を右奥に切られたピンに対し、ショートサイドを攻め込んで、右2mからバーディフィニッシュ。「練習していたら、何が悪かったのか少しずつ分かってきた」。雷雨により3日目まで毎日中断を強いられたが、2日目にはホールアウトしたにもかかわらず、2時間以上クラブハウスで粘って待機。再開後、人もまばらなドライビングレンジで打ち込んだ。東南アジア特有の環境で変則日程を日々強いられても、努力の姿は普段通り。「初日、2日目の調子が10段階で言ったらゼロだったのが、1、2くらいまでは上がったかなと」
4日間を通じ、周囲からは苦しんだように見えたグリーン上のプレーには「パッティングに関してはすごく良かった4日間。ただ、入っていないだけ」と、ストロークについての満足感を語る。新シーズン開幕から出場3試合連続のトップ10入りは逃しても、前週のオフで失った手応えのリカバリーができた。
次週は中国・上海に舞台を移し「WGC HSBCチャンピオンズ」に出場。世界ランク上位選手がこぞって参加し層は厚くなるが「早く優勝争いがしたい。それを求めるのは、まだまだ酷な状態ですけど、パッティングが今週くらい良ければあるのかなあと。あとはウェッジショット、グリーン周りの感覚がつかみ切れてない。そこができればね」。メジャーに次ぐビッグタイトルを、じっくりと狙っていく。(マレーシア・クアラルンプール/桂川洋一)