松山英樹 雷中断→再開後にベタピンバーディ
マレーシアのクアラルンプールG&CCで開幕した米国男子ツアー「CIMBクラシック」初日。松山英樹はプレー中に雷雲接近による中断を強いられながら、4バーディ、2ボギーの「70」でまとめ、2アンダーの23位タイでスタートした。
「ショットがあまり良くなかった」という状態で、第1打をピン奥50cmにつけた前半8番(パー3)までに3バーディ。12番、15番(パー3)など中盤は2m以上のパーパットを沈めるなど、しぶとくプレーした松山は、長い中断の直後に芯の強さを見せつけた。
午後1時過ぎに迎えた16番で、フェアウェイから残り110yd、第2打のアドレスに入ろうとしたそのとき、上空でゴロゴロと雷の音。すぐに中断のホーンが響き渡り、クラブハウスへ戻るよう指示された。
待つこと2時間15分、再開の合図を聞いてすぐに放ったウェッジでのショットは、スピンを効かせてピンそば20cmにピタリ。「中断になって良かったなという感じです。(中断前の試合進行が不透明な)あのシチュエーションで、あまり打ちたくなかった」と、整理がついた気持ちで放った一打で“お先”に楽々のバーディを決めた。
1週のオフを挟んで迎えた米ツアーの2014-15年シーズンの開幕4戦目は、アジアンツアーとの共催試合。初日、2日目で同じペアリングに組み込まれたのはメジャー覇者のジェイソン・ダフナーと、アジアンツアー2週連続優勝を狙う、現在賞金ランク2位のアニルバン・ラヒリ(インド)。堂々の“メイン組”は終始、テレビカメラにマークされ、松山は中断中に休憩がてら昼食を取るシーンまで放送された。
そんな高い注目度にも、もう慣れたもの。2年連続の出場とあって環境にも不平はない。「ここの国はサンダーストームがあることは普通だと思うんで。去年も(進行が)遅れましたし。中断も全然、気にしませんでした」と、どこ吹く風だ。
連日の雷、大雨のため、普段のように長く打ち込みができなくとも「ここに来ると決めたときから分かっていたこと。試合をやりながら、そう嘆いても仕方がない。体調を崩さないようにしたいです」。そう言ってやはり、ラウンド後に練習場へ向かう姿も落ち着き払ったものだった。(マレーシア・クアラルンプール/桂川洋一)