3打差3位の松山英樹「チャンスはあった」
グリーン上で松山が浮かべたのは、苦悶、落胆、そして最後は苦笑い。米国男子ツアーの14-15年シーズン開幕戦「フライズドットコムオープン」最終日、7位から出た松山英樹は、上位を追うべくバーディチャンスを量産したが、カップに沈んだバーディパットは3つだけ。1ボギーの「70」と2つスコアを伸ばすも、通算12アンダーは優勝したベ・サンムン(韓国)に3打届かず3位に終わった。
4日間を通して初めてコースを吹き抜けた風は、時に強く、時に弱く、方向を変えて選手たちを悩まし、上位のスコアは伸びていかない。
そんな中、松山はショットでチャンスを作り続けた。だが、前半はことごとくバーディパットがカップに嫌われ、折り返した12番で1mを沈めたのが、この日初めてのバーディだった。続く13番で1.5mのバーディパットを外すと、両膝に手をついて悔しがり、16番(パー5)でも1m強のパットはカップの底を叩かない。
それでも、17番でこの日2つ目のバーディを奪うと、最終18番(パー5)は2打目でグリーン奥のカラーまで運んだ。だが、約9mのイーグルトライは、カップ寸前で読みとは逆の右へと切れた。
「仕方ない――」。パッティングが入るかどうかは紙一重。松山は「入っていないけど、そんなに悪いとは思わない。(パットを)外し続けても3アンダー、4アンダーくらいで回れるショットがあればと思う」とぶちかました。
結果的に優勝したベとは3打差だった。「13番から16番で2個くらい取って、最後のイーグルパットが入っていれば優勝のチャンスがあった」というのは事実。だが、スイングイメージを変えた中での初戦と考えれば、3位という成績も上々だ。
この4日間、松山の“ショットのスコア貢献度”(ストロークゲインドティtoグリーン)は1.997で堂々の1位。逆に“パットのスコア貢献度”(ストロークゲインドパッティング)は0.212で45位だった。
「お先、真っ白(真っ暗?)から少しずつ光が見えてきた」というのが松山の率直な感想だ。「コースが変われば、気持ちの持ち方も変わってくる。そこでどういうスイングができるかが楽しみです」と次週のラスベガスへと気持ちを向けた。(カリフォルニア州ナパ/今岡涼太)