2014年 バルスパー選手権

5年ぶりアンダーパー 石川遼は復調に自信「予選とは次元が違う」

2014/03/17 07:13
最終日にチャージ成功。ギリギリで予選を通過していた石川だったが、終わってみれば中位でフィニッシュした。

フロリダ州のイニスブルックリゾートで行われた米国男子ツアー「バルスパー選手権」最終日。5年ぶりに同大会の決勝ラウンドに進んだ石川遼は、65位タイからスタートし、5バーディ、2ボギーの「68」(パー71)をマーク。通算1オーバーの25位タイに順位を上げてフィニッシュした。

復調の兆しを見せたショットと、午前中の穏やかなコンディションが理想的に噛みあった。1番でバンカーからの第3打をピンそば1メートルに寄せてバーディ発進を決めた石川は、5番でもフェアウェイから3打目をピン奥につけ、この2つのパー5で確実にバーディを重ねた。さらに6番では3メートルを沈め、8番(パー3)ではグリーン右からチップイン。アウトだけで4バーディを奪って、着実に順位を上げていった。

しかし後半インでは強く吹き始めた風にグリーン上で翻弄され「良い感じで打ったパットも多かったが、なかなか入ってくれなかった」。12番では1メートルのパーパットを決めきれず、15番(パー3)ではボールが鋭くめくれ上がり、柔らかく着弾するティショットでピン左3.5メートルを捕えたが、このチャンスを決めきれない。「風が足元でもグルグル回っていた。ボールの回転が安定しなかった」。最終18番でも2メートル弱のバーディパットがカップに蹴られ、苦い表情でホールアウトした。

それでも、ショットに不安を抱えたまま迎えた試合を振り返れば、十分に及第点を付けられる内容だった。2日目のラウンド後に練習場で掴んだ手応え。実際には「昨日(3日目)の方が良かった感じがする。球を右においても左においても捕まったいい球が出ていた」というのが最終日の感想。しかし「すごくいい感触が消えたわけではない。良い精度の中での話。予選ラウンドの時とは全く次元が違う話です」と力を込めた。

昨年まで4年連続で予選落ちを喫してきた苦手大会。予選ラウンドをギリギリで通過し、3日目は最終日の出場選手制限(MDF)もなんとか切り抜けた。綱渡りで辿り着いたこの日曜日の「68」は自身のコースベスト。それどころか、初出場となった2009年の初日に「69」を記録して以来、5年ぶりのアンダーパーだった。

「アプローチ、パットで耐えて予選通過ができた。これからもうまくいかない日もあると思うけど、耐えて決勝に行って、難しいコンディションになった時に良いプレーができれば順位も上がっていく。こういうのもあるんだなと思えた」

4週連続の出場で迎える次週は「アーノルド・パーマーインビテーショナル」。東海岸の拠点ベイヒルクラブ&ロッジで行われる“ホームゲーム”は、タイガー・ウッズをはじめフィールドは豪華になる。「いつ回っても難しい。アンダーで上がれれば(自分の)状態が仕上がっているという感じ。今週とは全然違うコース」と警戒しつつも、勇んでコースを後にした。(フロリダ州タンパ/桂川洋一)

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