首位と3打差の松山英樹「残り3~4ホールでガッツリ狙う」
「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」3日目の観客動員数はツアー新記録となる189,722人。大ギャラリーが詰めかけたTPCスコッツデールで、松山英樹は最終組の1組前でハリス・イングリッシュ、パット・ペレツと共にラウンドした。通算9アンダーからスタートすると、4バーディ1ボギーの「68(パー71)」で通算12アンダーまでスコアを伸ばし、首位のバッバ・ワトソンとは3打差の3位タイでホールアウト。残り18ホールでPGAツアー初優勝へ挑む。
立ち上がりの2番ティ、静寂の中でドライバーを振り抜くと、直後にティ後方にいた犬が元気に吠えた。「気にいったみたいだね」ギャラリーの笑いとともに、松山の顔もほころんだ。「今日で優勝が決まるわけじゃないし、なんの気持ちも入ることなくコースと向かい合っていた」。そう、まだ“3日目”なのだ。
「前半は全然うまくいかなかった」というショットは、尻上がりに調子を上げた。11番ではティショットを右の砂地に曲げるも、8Iで左の池方向に打ち出しスライスを掛けてピン上7メートルにつけてギャラリーの喝采を浴びた。後半の9ホールはすべてパーオン。3バーディ(ノーボギー)をもぎ取ったが、悔しがったのはパッティングだ。
ショートパットを外したわけではない。3メートルから10メートル以内のチャンスが、カップに沈まなかったのだ。「パットに頼る分、今日はパットが入らなかった」。初日「27」、2日目「26」も、この日は「30」パットを要してしまう。「なんなんですかね、入んないです」。ホールアウト後、パッティンググリーンで黙々と球を転がした。
最終日も、今日と同じく最終組の1組前からスタートする。「朝からガツガツするわけでもない。残り3~4ホールで上にいれば、ガッツリ狙っていきたいと思うけど、そこまでは崩れないようにやっていきたい」。
松山がラストスパートを目論むTPCスコッツデールの上がり3ホールだが、この3日間で1つもバーディを獲れていないのは気掛かりだ。16番(パー3)は名物のスタジアムホールで、17番は332ヤードと距離の短いパー4。18番は438ヤードでこの日は3番目に難しいホールだった。
「16番に限ってはグリーンに載せないと難しいけど、幸い3日間とも載っている。17番は自分がアプローチミスをしているだけ。18番も昨日は距離感ミスでバンカーに入れただけ。別にバーディが獲れていないからどうとかは、思わないです」。明日こそが本番。優勝争いのイメージはできている。(アリゾナ州スコッツデール/今岡涼太)