自己ベスト2位の石川遼、初優勝への予感「感じる」
米ネバダ州TPCサマリンで開催されている米ツアー今季第2戦「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」の最終日、通算12アンダー、5位タイからスタートした石川遼は、米ツアー自己ベスト(※2011年「WGC キャデラック選手権」初日)に並ぶ「65」をマークし、2012年「プエルトリコオープン」で記録したベストフィニッシュに並ぶ2位の健闘で4日間の戦いを終えた。
1日4アンダーペースの通算16アンダーを自身に課し、最終日をスタートした石川。立ち上がりの1番ではピンをデッドに狙った第2打を60センチにつけ、バーディ先行の好スタートを切った。続く2番では25メートルから3パットでボギーを献上したが、5番(パー3)では、ティショットを再びピンそば60センチにピタリとつけてバーディを奪った。
ショットが良かった要因に石川は標高の高さを挙げた。「最初は(余計に飛ぶ割合は)5%だ6%7%だって言ってやっていたんですけど、初日の途中か2日目から、僕が3%にしようって言って。それからアイアンの距離感がハマりだしました」。この日は3つのパー5(9、13、16番)はすべて2オンに成功してバーディを奪った。
自身がこの日の一番の勝負どころに挙げたのは、首位のウェブ・シンプソンに3打差と迫った17番(パー3)。「今までだったら怖くて右のバンカーに逃げたショットだと思うんですけど、スイングがぶれることなく打てたっていうか、あのショットはすごい価値があった」と、196ヤードのティショットを7番アイアンでピン方向にまっすぐに狙い、奥5メートルのバーディパットも沈めた。
最終ホールは、「情けない上がり」と唇をかむボギーフィニッシュとなったが、「自分のリズムでやれたし、4日間の中で一番良かった」と最終日の追い上げを満足そうに振り返った。「1日4アンダーでプレーすることはそこまで易しい事ではないと思っていたので、それをクリアできたという事に対しての点数はあげても良いのかな」と表情に充実感が満ちた。
「(優勝に近づいていると)感じますね。勝つためにはこういうことが必要だと思う。やっぱり上位でフィニッシュするということが選手を成長させるのかなと思います」と、昨季の苦戦を経たいま、改めて感じている確かな手応えを語った。
石川の次戦は10月31日(木)に開幕する「WGC HSBCチャンピオンズ」。来週はトレーニングや時差調整に充て、「できれば同じかこれより良い状態」の戦闘態勢で初日のティグラウンドに臨む。