2013年 プレジデンツカップ

最終ホールで劇的バーディの松山英樹「引き分けられたのは大きい」

2013/10/04 09:44
値千金の最終18番バーディで、ペアを組んだA.スコットにねぎらわれる松山英樹

米国オハイオ州にあるミュアフィールドビレッジGCで開幕した世界選抜と米国選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」の初日。松山英樹アダム・スコット(オーストラリア)と組んで、フォアボールマッチ(2人のうち良い方のスコアを採用するダブルス)の第2試合に登場。ビル・ハースウェブ・シンプソン組を相手に、残り4ホールで2ダウンまで追い込まれるも、最終18番で松山がバーディを奪って引き分けとし、世界選抜に貴重な0.5ポイントをもたらした。

反撃ののろしは、世界ランク2位のスコットがあげた。世界選抜の2ダウンで迎えた15番(パー5)。2打目をグリーン右サイドのラフまで運んだスコットは、そこから15メートルのチップショットを直接沈めてイーグルを奪った。「あれで、まだ勝てるんじゃないか、引き分けに持ち込めるんじゃないかという希望が持てた」と、この1打が松山の闘志を呼び覚ました。続く16番(パー3)で、今度は松山がティショットをピンそば3メートルにつけてただ一人バーディとし、残り2ホールで試合を振り出しへと巻き戻した。

だが、17番でここまで6バーディと米国選抜を牽引してきたハースが、難しい下りのバーディパットを沈めて再び1アップと突き放す。窮地に追い込まれた世界選抜だったが、18番で松山が見せ場を作った。ピンまで残り168ヤードの第2打を、「自分が先に打つので、ミスしてもアダムがいるので心強かった」と、8番アイアンでピンそば30センチにつけてただ1人バーディフィニッシュ。このホールを奪って、引き分けの0.5ポイントをもぎとった松山は、額の汗を拭いながらスコットと喜びを分かち合った。

「緊張はしたけど、調子が良くなくて貢献できたホールが3ホールしかなかったのは不甲斐なかった。それでも、引き分けられたのは大きいと思う」と、終盤3ホールで2バーディを奪う意地を見せた松山。大きく安堵の息を吐いた。

「ずっと3人とは“蚊帳の外”でゴルフをしていたので、どうしようかと思った」と、苦しい序盤を振り返る。「最後の数ホールだけは良かった。その感覚を明日の最初から出せるようにしたい」と、大きな手応えを掴んで2日目のフォアサムへと臨む。(オハイオ州コロンバス/今岡涼太)

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