2013年 全英オープン

松山英樹、首位に迫るも終盤に悲劇 11位タイで最終日へ

2013/07/21 03:38
17番のセカンドショット。この処置に時間が掛かり、松山は罰打を受けた

スコットランド、ミュアフィールドの空は今日も青い。連日、全英らしからぬ暖かな陽気に恵まれている今年の「全英オープン」だが、3日目に入り肌に感じる風は冷たさを増してきた。しかし、鳥肌の原因は、寒さよりも日本の若武者・松山英樹のプレーだった。

通算2オーバーからスタートした3日目の松山は、序盤はパーを積み重ねる。ティショットではアイアンを多用し、低い弾道でフェアウェイをキープする。好調なショットでグリーンを捕え、バーディパットを打つ機会には恵まれたが、リンクスのグリーンはなかなか微笑みを返さない。

それでも、フォローの風が吹いた9番(パー5/554ヤード)で、第1打は3Iでフェアウェイを捕え、2打目も残り291ヤードを3Iで打ち込んだ。本人は「トップした」と笑ったが、100ヤード近く転がった球はピン上3メートルで静かに止まった。

イーグルパットこそ僅かに外れたが、ここでバーディを奪った松山は、続く10番でも4メートルのフックラインを沈め、続く11番では131ヤードのアプローチを、ワンバウンドでピンに当てて50センチにぴたりと止める。3連続バーディで通算1アンダーとし、その時点で、首位と1打差の4位タイまでリーダーボードを駆け上がった。

しかし、メジャー制覇の道は甘くない。13番(パー3)でティショットを左手前のポッドバンカーに入れてボギーとすると、続く14番でも再び2打目がバンカーに捕まり連続ボギー。

その頃、松山らの前組は約1ホール先へ行っており、競技委員によると松山の組は正規のポジションより15分遅れていたという。スロープレー警告後の15番グリーンで松山のファーストパットは1分12秒掛かったことが記録されている。続く16番(パー3)では、ピン右3メートルのバーディチャンスにつけるも、ルーティンを省いて時間を節約した松山はこのパットを決められない。続く17番(パー5)で、今度はドライバーを大きく左へ曲げてしまった。

ギャラリーの背中をヒットした球は、深いヒースの中に埋まっていた。フェアウェイにレイアップするにも、バンカーとマウンドを越えないといけない難しいショット。このショットでも再び持ち時間をオーバーした松山は、このホールをパーとしたが1罰打を加えて「6」。続く18番も動揺からティショット、2打目と左ラフを渡り歩いてボギーとし、13番以降4つのボギーを叩いて、この日「72」、通算3オーバーとスコアを落としてホールアウト。

アテスト小屋では、同組のジョンソン・ワグナーも松山のペナルティに対して強硬に反論したというが裁定は覆らない。松山も罰を取られた理由に理解も納得もできないと顔を紅潮させて怒りをあらわにしたが、「くつがえらないので、しょうがない」と必死に気持ちを切り替えていた。

結局、通算3オーバーでホールアウトした松山だが、順位は前日よりも上がって11位タイ。「1ストロークは大きいけど、取り返せるように頑張るしかない」と、鋭い視線を宙に向けた。(英国ミュアフィールド/今岡涼太)

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