T.ウッズが最年少出場の14歳とオーガスタで練習ラウンド
今季の海外メジャー初戦「マスターズ」は、開幕初日の11日(木)に新たな記録が生まれる。昨年11月の「アジアパシフィック・アマチュア選手権」を制した中国のグァン・ティンランが、14歳5か月17日の若さでティオフ。2010年大会に16歳11か月で出場したイタリアのマッテオ・マナッセロが樹立した史上最年少記録を更新、また4大メジャーにおいても、昨年の「全米オープン」に14歳6カ月で出場したアンディ・チャンの記録を抜いて最年少となる。
昨年まで2年連続で松山英樹が腰を据えてきたアジア最強アマの座を奪い、オーガスタにたどり着いたグァン。開幕3日前の8日(月)には、午前中にマスターズ2勝の61歳、ベン・クレンショーと練習ラウンド。その後公式会見に出席した。
ドライバーの飛距離は250ヤード前後。このモンスターコースでは厳しい戦いを強いられることは必至だ。それでも「僕の飛距離が足りないことは分かっているけれど、このコースでも戦えると思っています」と真剣な目つき。「スタートの時はプレッシャーも感じるでしょうが、あまり自分を追い込まないように。目いっぱい楽しんで、良いショットを打ちたい」と話した。
そして午後にはさらなるサプライズが。タイガー・ウッズに誘われ、3時過ぎに再び練習ラウンドに出たのだ。ダスティン・ジョンソンを交えた3サムの周りには大ギャラリーが帯同。インの9ホールを回り、16番(パー3)では3人が一斉に水切りショットに挑んだ。
グァンとウッズは過去にも2010年に上海で行われた「HSBCチャンピオンズ」のプロアマ戦や、ナイキゴルフのイベントなどで一緒にプレーした経験がある。それでも14歳は「マスターズで彼を見るのが楽しみだったから、最高に興奮しました」と、18番グリーンで丁寧に帽子を取りながら、力強く握手を交わした。
一方のウッズも終始笑顔のラウンドに。自身がマスターズで初勝利を挙げた97年当時には、まだ生まれてもいなかったグァンについて、素直に驚きを表現する。「彼は高校のチームのためにもプレーしないんだよ。だってまだ中学生なんだから!そしていま、マスターズに出ている。本当にびっくりするよ」。同じフィールドで戦うプレーヤーを“kid”と表現しながらも「良い時間を過ごせた」と明るい表情を見せていた。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)