米国男子ツアー

伏兵カーティスの優勝に周囲の反応は?

2003/07/22 09:00

トーマス・ビヨーンがダブルボギーを叩いた辺りから、ロイヤルセントジョージスGCのプレスセンターでは記者たちが走り回っていた。というのも、皆ベン・カーティスが何者なのかまったく知らなかったからである。各国の記者たちがこの無名のシンデレラボーイ誕生に度肝をぬかれたという。

ゲイリー・バンシクル(スポーツ・イラストレーテッド誌記者)
「まるでジョン・デーリーがメジャー優勝を果たしたときみたいだね。デーリーほどワイルドでカリスマ性があるようなキャラではないけれど、無名の選手がメジャーを勝つなんてデーリー以来の大事件だ。プレスセンターでほかの記者たちと、ベン本人は『全英に勝ったら来週のグレイターハードフォードは予選から出なくてもいいのかな?』って思ってるぞと冗談をいって冷やかしていたんだ。まさか勝つとはね」

ジェフ・バビニュー(ゴルフウィーク誌記者)
「バックナインに入ってベンのエンジンからオイル漏れが始まってはいたけど、なんとか凌いだね。その間に他の選手達が自滅してくれた感じだな」

アリステア・テイト(ゴルフウィーク誌・欧州特派員)
「ショックだったよ。本当にみんな彼が何者だかわからなくて、プレスセンターは騒然としてた。みんな資料がなくてかき集めていたよ」

リック・ライリー(スポーツ・イラストレーテッド誌記者)
「彼の人生で最良の日なのは間違いないね。すでにナイキの連中がベンの周りをうろついてたよ。プレーオフまでに、新しいロゴ入りのシャツとキャップを着て出てくるんじゃないかと思ったくらいだ」

アンディ・サットン(ベン・カーチスのキャディ)
「ベンは参加できているだけで喜んでいたよ。金曜日に、決勝ラウンドに進めないと、帰ることになるから、お土産のティーシャツを買ったりして、全英に来られたことを単純に楽しんでいた。でもプレー中はとても冷静で何にも動じない。ここのバックナインを冷静にプレーしていたよ」

アンドリュー・ブルックス(ロイヤルセントジョージスGCヘッドプロ)
「ベンは木曜日に、誰よりも早く到着していた。イギリスの選手たちは数週間前に何人か下見に来ていたけど、トーナメントのセットアップにはなっていなかったんだ。先週の木曜日はまだ他の選手もいなく、我々も時間があったので、じっくりベンの下見に付き合うことにした。あの日は丁度、ここ特有の南西の風が吹いていたんだ。そして我々は、試合の頃には、南西の風になるだろうとベンに忠告したんだ。他の選手たちが到着した頃から風は南東に変わり、南西からの風を体験しないまま、ほとんどの選手が試合初日に突入した。その初日から風は南西に変わった。ベンだけが、風の恐さを我々から聞いていたことになる」

ビジェイ・シン
「実は昨晩、妻にウェスタン・オープンでベンとプレーしたけれど、素晴らしいショートゲームとパッティングを持っているんだと話していたんだ」

タイガー・ウッズ
「ベンは最高のプレーをしたと思う。一時は5アンダーまでいったんだからね。バックナインでミスはしていたようだけど、他の選手も苦戦していた。彼はメジャーを勝つのに必要なことをちゃんとやってのけたんだ」