米国男子ツアー

今日のタイガー/6打差逆転!そして最愛の父アールに贈るメジャー10勝目となるか!?

2005/06/19 09:00

全米オープン3日目

トップから3打差、1オーバーの位置からタイガー・ウッズは午後2時にスタートした。3日目のペアリングはロコ・メディエイトと同じ組。気温は23度から26度前後。東や北東の方角から風が穏やかに吹く1日となった。

前半は1番と3番でボギー、後半は11番でバーディを奪うものの、12番でまたボギーとし、3日目は2オーバー(37-35=72)。通算3オーバーの213(70-71-72)は、54ホール終了時でトップを走るレティーフ・グーセン(南アフリカ)とは6打差の7位タイという位置で最終日を迎える。

スタートホールはロングアイアンでティショットを放ったが、右のセミラフでボールは止まった。2打目ショートアイアンで左奥のピンを狙うが、ボールとクラブの間にバミューダ芝が挟まってスピンが効かないフライヤーボールとなったボールは、大きくグリーン奥にこぼれてしまった。

8メートルのパーパットはカップを蹴られてのボギースタート。3番ホールではラフからグリーンを捕らえるものの3パットでボギー。4番、7番、8番では5~8メートルのバーディチャンスを迎えるもののボールはカップを横を通り抜けてパー。

11番では2打目残り137ヤードをウェッジで7メートルにつける。これを少し強めのタッチでねじ込みバーディ。しかし続く12番では右ラフ、バンカー横からの2打目をグリーン手前部分にしか乗せることができなかった。手前から27ヤードの位置に切ってあるピンに入れるまでグリーン上でまた3打を費やすボギーとしてスコアを落とすことになる。

3日目で一番難しいとランクされた13番では、340ヤードを越えるスーパードライブの後、35ヤードのアプローチを見事な技でピン横につけるがこれが入らずパー。最終ホールではティショットを大きく右にそらすが、うまくパーセーブを見せてプレーを終了した。

今日のホールアウト時には、大きな白い歯を見せて笑顔だったタイガー・ウッズ。同伴競技者のメディエイトの「こんなところからは早く逃げて帰ろうぜ!」というコメントに対し笑ってしまったということだ。明日は父の日となる。今年のマスターズの優勝は病気の父へ送りたいと涙を浮かべたタイガーだった。

アールさんは少し元気を取り戻し、昨夜はテークバックで頭を動かすなとタイガーへのスイングアドバイスをしていたという。最愛なる父へのプレゼントは逆転メジャー10勝目に違いない。これまでのタイガーのキャリアで、メジャー戦9勝はいずれも3日目からのリードを守った優勝となる。追い上げて惜しかったのは2位に終わった2002年全米プロ。このときは3日目終了時に5打差をつけられていて最終日は5アンダーの「67」を記録している。(優勝は1打差でR・ビーム)キャディのスティーブ・ウイリアムスは最終日のピン位置を確認していた。タイガーのコメントでは前回このコースで全米オープンが行われた99年の最終ラウンドよりもエッジに近い難しいピンになると語っていた。2001年と2004年と過去2度、この全米オープンのサバイバルゲームを制した経験のあるグーセンを6打追いかけるという立場。

常にリーダーボードを確認しながらプレーをするタイガーはこれまでグリーンを狙うショットで リスクが少ない方を慎重に打ってきている。しかし大差を追いかけるとなると、どこかで積極的なゲームプランに変える必要がある。

実は今夜から明日の朝までに雨の予報があり、この天候が大きく明日のゲームを左右することになるだろう。雨が降れば後ろから追い上げる選手にチャンスが増える。今週のベストラウンドは、これまで昨日ピーター・ヘドブロムが記録した「66」。これを越えることができるのは、そう、あの白い歯の男しかいないだろう。年間グランドスラム、メジャー第2ステージクリアとなるか・・・ 残すは18ホールのみ。

【タイガーのプレーデータ】
フェアウェイキープ率 : 14ホール中 7回、50%
パーオン率 : 18ホール中 16回、89%
合計パット数: 36
3パット: 2回
計測ホールのドライバー飛距離 :
2番ホール 321ヤード(平均290.8ヤード)、 11番ホール 348ヤード(平均302.6ヤード)

解説 / アンディー和田